武田コンシューマーヘルスケアの調査によると、65%もの人が市販の風邪薬にウイルスを倒す効果があると誤解していたそうです。
かぜ薬、65%が誤解 ウイルス倒さず、正しく服用を(時事通信社)
このように、一般用医薬品に関する理解度は医療従事者と一般の方で大きな隔たりがあります。
薬剤師や登録販売者は「漢方薬は天然の生薬成分なので安全である、一般用の医薬品で薬物依存が起こる可能性はない」といった誤った認識をもつ方々に、正確な情報提供や注意喚起をしてから医薬品を販売する必要性があります。
そしてお薬手帳で他の病院や薬局でもらっている薬の確認はされていても、一般用医薬品に関する聞き取りがなされていない場合もあるかもしれません。あらためて一般用医薬品の確認をする事も忘れないようにしましょう。
濫用等のおそれのある医薬品6成分は?
医薬品・医療機器等安全性情報によると、厚生労働大臣は以下の6成分を※濫用(乱用)のおそれのある医薬品として指定しています。
※らんよう【濫用/乱用】はどちらの漢字でも同じ意味合いで使用されます、goo辞書によると「[名](スル)一定の基準や限度を越えてむやみに使うこと」という意味で用いられます。
- エフェドリン
- プソイドエフェドリン
- メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち,内用液剤に限る)
- コデイン(鎮咳去痰薬に限る)
- ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る)
- ブロムワレリル尿素
これらの6成分を含む医薬品を販売する時には、他店舗での購入状況や購入理由を確認して、販売時の数量の制限をする必要があります。
以前、一般用医薬品である鼻炎薬(含有成分にPSE:プソイドエフェドリン)を大量購入して自宅の屋根裏で覚せい剤の成分であるメタンフェタミン等を密造していたというアメリカのドラマ「ブレイキングバッド」の様な事件が日本でもあったのでこのような事例にも注意が必要です。
厚生労働大臣は,一般用医薬品に使用される成分のうちの一部を「濫用等のおそれのある医薬品」として指定しています。具体的には,エフェドリン,コデイン(鎮咳去痰薬に限る),ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る),ブロムワレリル尿素,プソイドエフェドリン,メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち,内用液剤に限る)の6成分が指定されています。これらの成分を含む一般用医薬品については,販売に際して,他店舗での購入状況や購入理由の確認,販売時の数量の制限などが求められています。
これらの6成分を含む医薬品による依存症は若年層で多く見られ近年では増加傾向にあります。
有名なブロン錠には、ジヒドロコデインリン酸塩とdl-メチルエフェドリン塩酸塩が含まれています。指定された成分のメチルエフェドリンには、(鎮咳去痰薬のうち内用液剤に限る)とありますが錠剤には両方の成分が含まれているので注意が必要です。
Amazon等において購入する場合でもお一人様一つしか購入が出来ないようになっているので、店頭で販売する場合も必ず個数の確認をしましょう。(エスエスブロン錠と、新エスエスブロン錠エースは同時に購入できてしまうのですが…)
これらの医薬品には依存症候群(やめられない)といった症状が見られます。依存症候群の状態とは、薬をやめようと思っても意欲減退や倦怠感(だるさ)や焦燥感(あせり)などの離脱症状により薬を中止することができない状態をいいます。
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