精神科の門前で新患さんの服薬指導の後で待ち時間が長くなり「いつもと同じ薬なのになんでこんなに時間かかるんや!!もう薬局変えるからな!」とめちゃくちゃ怒って帰った患者さんが、2週間後に「この前はごめんな~」としおらしい態度でまた来局してくださいました。
よかった!
にわかラグビーファンですが、ノーサイドの精神で引き続き頑張ろうと思います。
にわかの意味は(一時的、かりそめ)といった意味合いだそうです、かりそめのラグビーファンでないように、ラグビーも継続して応援しようと思います。
そんな中、この精神科では長時間型のBZ系睡眠薬のドラールの処方を目にします。
BZ系薬に関しては、PMDAからも「BZ受容体作動薬の依存性について適正使用のお願い」が出ていますが、様々な睡眠導入剤を試してもこの薬がやはり良いとの事でした。
ドラール(クアゼパム)について
ドラール(クアゼパム)と言えば、ベンゾジアゼピン系の薬物で、作用時間が中長時間型に分類される睡眠障害改善剤になります。
不眠症での服用時は通常であれば、成人は1回20mgを就寝前に服用します。
年齢、症状、疾患により適宜増減しますが、高齢者は少量から投与開始します。(最高用量は30mg/日)
作用機序は、下部脳幹を起源とする睡眠導入機構を介し、BZ受容体への親和性が高く、これらを介した覚醒系の抑制、睡眠に関する神経系の刺激に関与していると考えられています。
併用禁忌は?
併用禁忌(併用しないこと)として、薬剤名等の欄にはHIV感染症薬のリトナビル(ノービア)と「食物」の記載があります。
そして臨床症状の欄には「過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある」とあります。
ドラールは水にほとんど溶けない難溶性薬物ですが、胃に内容物が残っていると吸収性が向上して血漿中濃度が空腹時の2〜3倍に高まることが報告されています。
添付文書には以下の記載があります。
本剤15mgを健康成人男子に絶食時経口投与した場合、血漿中濃度は3.4時間で最高に達し、半減期は36.6時間であった。また、食後30分後経口投与と比較すると、食後投与のCmax及びAUCは、絶食時投与のそれらに比して大きい値を示し、t max及び半減期は絶食時と食後投与の間に有意差はみられなかった。このことから、本剤の吸収は食事の影響を受け、そのバイオアベイラビリティは増大することが示唆された。
当初、患者さんは「この薬はよく効くから朝までぐっすり眠れる」とのお話があったのですが、「たまに寝すぎて寝起きにふらふらする」との事。
半減期が36.6時間なので、眠気などの持ちこしも当然あるかとは思いますが、夜食を食べていないかの確認を忘れないようにしましょう。
初めての服薬指導で説明をしていても、患者さんは忘れている場合が多く夜食を取ってしまったり、夕食後にすぐ寝るからと食後直ぐに服用する患者さんなどは注意が必要です。
ちなみに私は夜中に食べる、ラ王の背脂コク醤油が大好きです。
コメント