1ドル札を拾うとオピオイド系の麻薬成分フェンタニル中毒に!?

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去年の記事ですが、1ドル札を拾った女性がオピオイド系の麻薬成分フェンタニル中毒の症状が見られたといったニュースがありました。

米国の女性が床に落ちていた1ドル札紙幣を拾ったところ、全身まひ症状があらわれたことが伝えられ、衝撃を与えている。

それによると、当時Reneeさんはテネシー州・ナッシュビルのマクドナルドに入り床に落ちていた1ドル紙幣を発見した。誰かの落し物だと思った彼女は「もうけた」と何気なく紙幣を拾った。

ところが、帰宅しようと車に乗った瞬間、体に突然、異常反応を感じた。当時の状況についてReneeさんは数トンのレンガが自身を叩きつけるようだったと説明。Reneeさんは「肩から全身が沈むような気がした。その後は息もできなかった」と述べた。全身がまひする症状が続いたため、Reneeさんは夫に助けを求めた。

夫はすぐに病院へ向かい、その間に気絶したReneeさんは病院で薬物治療を受け、数時間後に目を覚ました。幸い体はすぐに元に戻ったという。

医療スタッフはReneeさんが薬物の過多服用に似た症状を見せたと診断。Reneeさんと彼女の夫は紙幣にフェンタニルが付いていたようだと主張し、警察も彼らの主張をもとに捜査に着手した。

フェンタニルはヘロインの100倍、モルヒネの最大200倍以上の強力な合成麻薬だ。2mg程度の少量でも人間が亡くなることがある悪魔の薬物とのことだ。

Reneeさんの事例のように実際に先月、テキサス州フェリー郡保安官室は道に落ちた紙幣から強い麻薬成分であるメタンフェタミンフェンタニルの陽性反応が出たとして、むやみに金を拾わないよう警告していた。

引用:@niftyニュース

記事によると、紙幣から強い麻薬成分であるメタンフェタミンフェンタニルの陽性反応が出たそうです。

この事件の真偽は定かではありませんが、アメリカでは麻薬常用者は紙幣を折りたたんで粉末状(スニッフ:鼻から吸って吸収する為)の麻薬を持ち歩くことが多いそうです。

※折りたたまれた1ドル札をパッと開いた瞬間に、空気中に舞った粉末状のフェンタニルを鼻粘膜から吸い込んでしまったのでしょうか?

メタンフェタミンは一般的には覚醒剤として認識されていると思いますが、医療用医薬品でもヒロポンとしてナルコレプシー等に適応があります。

一方のフェンタニルは、オピオイドと呼ばれるケシから採取されるアルカロイドの化合物であり、主に医療用医薬品としては麻酔や鎮痛剤として使用されています。

被害者の夫は、「紙幣にフェンタニルが付いていたようだ」と主張したそうですが、なぜフェンタニルと思ったのでしょうか?

米 若者の薬物過剰摂取による死亡急増 合成オピオイド「フェンタニル」
いまアメリカで 最も多くの命を奪っている麻薬は 、合成オピオイド「フェンタニル」です。 そのフェンタニルの 若者による過剰摂取が急増しています。そうした中、司法省と麻薬取締局は あらたに広がりを見せている レインボーフェンタニルについて警告しました。麻薬取締局は今年5から3カ月半で錠剤約1000万粒と粉末で980...
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アメリカではフェンタニルが蔓延している

アメリカでは、オピオイド鎮痛薬の過剰摂取による死亡者が年間10万人以上もいます。

WHO(世界保健機構)による癌性疼痛治療の三段階ラダーでは、モルヒネやオキシコドン、フェンタニルといった強オピオイドは、第三段階(中等度~高度の強さの痛み)で使用される事になっています。

通常の医師の処方であれば、フェンタニルはそれほど流通するような医薬品ではありません。

もちろん合法的に医療機関で処方されているものもありますが、ここで使用されている多くは非合法に流通しているフェンタニルによるものです。

若年層にも受け入れられるように、見た目がカラフルな錠剤で「レインボーフェンタニル」と呼ばれるものが流通しているそうです。

これらの非合法フェンタニル錠は含有量がわからず、一錠中に致死量の2㎎以上含まれているものもあるそうです。

これら非合法に流通しているフェンタニルによって、オピオイド鎮痛薬の過剰摂取が問題となっているのです。

ちなみに、オピオイド鎮痛薬による副作用で見られる、過鎮静呼吸抑制を早期発見するには患者の意識レベル(眠気やいびき、陥没呼吸:息を吸い込むとき胸の一部が陥没する状態の呼吸)、呼吸数(10回/分未満や不規則呼吸)等をチェックします。

そして副作用で呼吸抑制や感覚の遅延が見られた場合には、拮抗薬(オピオイド受容体での競合的拮抗作用)ナロキソンが使用されます。

アメリカではオピオイド鎮痛薬の過剰摂取者に対して、が設置されているそうです。

それほど一般社会に、フェンタニル中毒が蔓延しているという事なんでしょうね…

日本人は落ちているものを拾って届ける方が多いかとは思いますが、外国でこれをすると思わぬ事件に巻き込まれる事があるので、十分に気をつけたいものですね。

おわり

参考:今日の治療薬、@niftyニュース、FCI NYサイト

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