薬学管理料で「重複投薬・相互作用等 防止加算」と呼ばれるものがあります。
長いので「防止加算:ぼうしかさん」と呼んでいる方も多いかもしれません。
他院処方のレバミピドが重複していたので疑義紹介をして削除してもらった場合に加算を取ると逆に高くなったりと、あまり患者さんにとっては役に立っていない場合も見られます。
「重複投薬・相互作用等防止加算」は、疑義照会により薬剤が減れば算定できるとの理解だと算定の可否で迷う場合もあるかと思います。
薬剤師会報誌で「重複投薬・相互作用等防止加算」に関する記事がありましたので、様々なパターンに当てはめて算定が可能かどうかを判定してみてください。
重複投薬・相互作用等防止加算とは?
薬剤服用歴の記録または患者等(家族)からの情報等に基づき、処方医に連絡や確認を行い処方変更が行われた場合に加算できます。
イ)残薬調整以外 40点(防A)
- 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む)
- 併用薬、飲食物等との相互作用
- そのほか薬学的観点から必要と認める事項
ロ)残薬調整 30点(防B)
残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合
算定の可否を考えるパターン
上記が基本的な考え方になります、これを踏まえて以下のパターンについて考えてみたいと思います。
①ペンニードルが残っているとの事で、疑義照会を行い削除してもらった
答)ペンニードルは特定保健医療材料なので算定できない(薬剤に関する場合のみ算定可能)
②添付文書の用法(1日1回服用)と異なる用法(1日2回服用)であったので、用法に関する疑義照会を行った
答)上記の場合は疑義照会で添付文書通りに変更となった場合、薬剤が減るので算定できそうなのですが、添付文書記載内容等のように全ての患者に適応する事項に関しての疑義照会の場合は算定できないとの事です。
③「残薬があるので今回は不要と医師へ伝え忘れました」と患者より申し出があり、残薬調整の疑義照会を行った
答)患者等からの情報により疑義照会を行い処方変更が行われた場合は算定できそうなのですが、患者による医師への希望申告漏れに応じての疑義照会は算定対象とはなりません。薬剤師がお薬手帳から気が付いたり、「残薬ありませんか?」と確認してからの疑義照会である必要があります。
④「粉薬が飲めないので錠剤に変えてほしい」との申し出により、剤形変更の疑義照会を行った
答)嚥下困難に対して医療上の必要性が認められる場合は算定対象となります
⑤患者より「テープかぶれの副作用を伝え忘れた」との申し出があり、疑義照会を行った
答)先ほど③にて患者による医師への希望申告漏れに応じての疑義照会は算定対象とはなりませんとお伝えしましたが、患者による医師への副作用の伝え忘れについては算定対象となるみたいです。
⑥腎機能の低下が見られた患者について、リーマス(炭酸リチウム錠)の用量に関して疑義照会を行った
答)処方箋の検査値から処方された薬剤の用法用量が適切でない場合の疑義照会は算定対象となります
参考文献:(大阪府薬雑誌vol70、No11 2019)
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