【薬局開局】調剤薬局の開業を考えた時にまず考えるべき事は?

独立開業
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本当に調剤薬局をやりたいのか?

勤務薬剤師が調剤薬局の開業を考えた時に、一番初めに考えるべき事です。

この記事をいつか見てくれるであろう、私の子供に捧げたいと思います。

まず、本当に薬局がやりたいの?

本当に調剤薬局をやりたいのか?

「薬剤師だからいつか開局してみたい」といった職業の延長として考えるのではなく、本当にその仕事を一生やっていく覚悟があるのかを自らの心に問うてみてください。

何よりも事業を続けるモチベーションがあるのかが大切です。

勤務薬剤師でも人並みの生活はできますし、何よりもパソコン1台があれば勤務しながらでも様々な投資や副業によって他にお金を稼ぐ手段は色々とあります。

人によって働くモチベーションは様々ですので、それがお金であっても問題ないと思います。

しかしお金より何よりも「調剤薬局を経営して地域医療に貢献して一生の仕事にしたいのだ!」と思えば開局するべきだと思います。

今はまだ若いZ世代のあなたも、今後薬剤師が余って来る頃にはおじさん、おばさんになっています。

老眼で目が見えにくい、記憶力が悪くなってきた、若者と上手くコミュニケーションが取れない、病気で体が上手く動かない…、こういった時に若い薬剤師と対等に働く知識や能力がなくなっていると職場でお荷物となってしまう可能性もあります。

最悪の場合は、自分の居場所がどこにも無くなってしまう事も考えられます。

人生は長いようで短い、しかし短いようで長い、不可抗力で様々な事が起こります。

そうならないように努力し続けるのも良いのですが「少し疲れた…」、そんな時に自分の薬局(居場所)があるというのは、それだけでありがたいものです。

お金でなく地域医療に貢献して、さらには自分の居場所を作りたい。

そんな気持ちがあれば開業しましょう。

開局して永続的に運営するには、薬局の利益構造をしっかりと考えておく必要があります。

保険診療を扱う調剤薬局という業態であれば、まず薬価改定毎に変化する技術料を理解して取りこぼさないようにします。

調剤薬局の利益構造

お金

技術料薬価差益、これが主な調剤薬局の利益になります。

他にもOTC等の物販もありますが基本的にはこの二つが柱です。

技術料+薬価差益

技術料は基本的には全国一律ですが、改訂毎に変わります。

どのような時に算定できるのかを、勤務薬剤師の時代からしっかりと覚えて取りこぼしが無いようにしておきましょう。

薬価差益は仕入れる薬品の種類や、卸さん(一次卸、二次卸等)との交渉次第で変わってきます。

自分で複数の卸と値引きの交渉をしっかりして安いところと契約して差益を確保する事も大切ですが、なかなか時間と手間がかかります。

1~数店舗では差益を取る事もなかなか難しくなってきています。

共同購入、マツモトキヨシの調剤サポートプログラムや、JOVY(ジョヴィ)等のボランタリーチェーンで薬の仕入れを任せる方法もあります。

加盟金や手数料だけでなく、契約期間や支払い期間、発注システムなど、様々な会社の特徴を一度比較してみてください。

開業方法

開業方法には大きく分けて3種類があります。

  1. 門前病院の開業と一緒に開局する方法
  2. M&Aにより、既に営業している薬局を購入する方法
  3. 面薬局等で開局する方法
門前病院の開業と一緒に開局する方法

開業や分業を考えている病院の優秀な医師等に知り合いがいれば1番の方法が手堅いでしょう。

病院も新規開業であれば軌道になるまで、そして処方箋枚数がどの程度伸びるのかが不明瞭ですが、薬局にとって門前があるのはやはり心強いです。

医師との仲が良好で気心が知れていれば経営を圧迫する医薬品の在庫も減らすことが可能です。

あなたの学生時代に仲の良かった友人等が医師になって、親の後を継ぐときや新規に開業する時に声をかけてみてください。

友人の医師が変な開業コンサルに騙されないように、力を合わせて一緒に新規医院を盛り立てていきましょう!

M&Aにより、既に営業している薬局を購入する方法

2番のM&Aにより薬局を購入する方法は、複数のM&A業者に登録して連絡を待ちます。

個人に連絡の来る案件は大手薬局がやらない旨味のないものが多いのですが、ある程度過去の数字が読めるのが良い点です。

しかしM&A業者に支払う高額の手数料(500万円から2000万円程度)、のれん代(赤字の薬局だと0円案件もある)がネックとなる事もあります。

また物件の建物自体を買取する事が条件であったり、テナントの賃貸料などが周辺相場よりも高かったり、賃貸契約を見直せないなど癖のあるものもあります。

これらを回収するために数年は実質タダ働きをする覚悟が必要です。その間に勤務薬剤師であれば年間500~600万円程度確実に資産を積み上げて運用することができます。

法人として薬局を開業して経費として数年かけて落とす事はできますが、門前の医師が突然廃業する事もあります、あくまで決算書の数字は過去のもので未来永劫約束されたものではありません。

これらのM&A業者に支払うお金が勿体ない(そんなお金があれば薬代などの運営費に回したい)と考えるのが人情です。

その場合は1番か3番で開業する事になります。

面薬局等で開局する方法

3番を考えてみたいと思います。

面薬局での開業は現時点での情勢では、なかなか厳しいです。

既にある病院の近くに調剤薬局を開局しても、思ったより処方箋が回ってこなくて半年から数年以内に廃業したという薬局もたくさんあります。

一部成功者の「面薬局で開業しても全然やっていけますよ」という言葉を鵜呑みにすると危険です。

そういった方は夫婦ともに薬剤師であったり、配偶者が高収入であったり、資産家であったり、既に薬局経営をしている親から何らかの援助を受けていたりする場合があります。

夫婦ともに薬剤師であれば一人は薬局経営、一人は勤務薬剤師で軌道に乗れば一緒に働くという極めて安全な手段で開業することができますが、そういった各々の背景を知らずに、何とかなるだろうと借金を背負って開業する事はやめましょう。

ここでは完全に自分一人だけが薬剤師で、天涯孤独で親からの援助もなく、孤立無援で面薬局を開業する場合を想定してみます。

まず管理薬剤師になると薬に関わる副業が禁止されているので、薬剤師会で認められている救急病院での夜勤アルバイト、コロナ禍のワクチン接種や学校薬剤師などを除くと薬剤師免許を使った仕事ができません。

ただし、自分の運営する薬局の営業時間外に薬業に関係のない仕事で稼ぐことは可能です。

ランサーズ等のフリーランス向けのサービスを使い記事作成やサイト作成で稼ぐ方法もあります。youtube、ブログ、物販等、様々な副業で稼ぐ術も身につけておきましょう。

フリーランス等の登録サイト

健康のためにダイエットしたい方はUber Eats 配達パートナーや、薬業以外の派遣等で薬局の経営が軌道に乗るまで凌ぐ事もできます。

最悪そのような副業をやりながらでも薬局経営をやっていける自信があれば大丈夫です、若いあなたには時間があります。

時間を味方にして体を壊さない程度に頑張りましょう。

面薬局でもある程度人口規模のある街で、立地に問題がなく継続して長く続ける事ができれば徐々に地域で認知されていきます。

あなたの人間性に問題がなければ、必ずやファンとなる患者さんがついてくる筈です。

つづく

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