やはり薬剤師も人間なので患者様との相性もあると思います。
どうしても苦手意識を持ちながら投薬をする事はないでしょうか?
そんな時、皆さんはどうしていますか?
同僚の薬剤師さんに投薬を押し付けていないでしょうか?
苦手なタイプの患者さんは?
ちなみに、私の苦手な患者様のタイプは、ものすごく急かす患者様です。
調剤室を覗き込みながら「5分で用意して!」「早くして!」と順番も関係なく怒り調子で急かされます…。
しかし実は人間は未知のものに対しては、恐怖心や緊張感を持っているのです。
よって初めての薬局や、顔なじみのいない薬局の場合はそれが攻撃的な態度となって現れていることが多いそうです。
こんな時はとりあえず落ち着いて気持ちの良い挨拶をします。
カクテルパーティー効果とは?
挨拶で心がけるポイントです!
声かけ時は「○○さん」と自分から大きな声で相手の目を見て笑顔でする
これだけで「私はあなたの敵じゃないですよ~」とアピールできたと思います
呼ぶ時には必ず名前を入れて呼びかけましょう!
心理学で「カクテルパーティー効果」と言うものがあります。
心理学者のコリンチェリーが提唱したもので、ガヤガヤと賑やかなカクテルパーティーの様な場所であっても人間は自分の名前や興味のある話は自然と聞き取ることができるというものです。
これにより相手との距離を縮めたい時には、相手の名前を呼ぶだけで無意識のうちに相手は注意をこちらに向けて意識する様になります。
心理学の実験でも相手の名前を会話に入れた場合は、その相手に対して好印象を持つという結果が出ているそうです。
そして次からの投薬も率先して行きましょう!
ザイオンス効果とは?
心理学で「ザイオンス効果(単純接触効果)」と言うものがあります。
アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱したもので、始めは苦手だったり興味がない場合でも何度も顔を合わせることで好印象を持つようになるといったものです。
TVで何度も見る人や、ラジオでよく流れてる音楽を好きになったりしますよね!
これでほぼ、あなたへの敵対心は低下している事でしょう。
返報性の原理とは?
さらにもう一押しです。「○○についての詳しい手引書を入れておきますね」と、つまらないものでもいいのでお薬と一緒に患者様に渡します。
これには返報性の原理(へんぽうせいのげんり)というものが働きます。人間は少しでも人に何か貰ったり、気にかけてもらうと、何かお返しをしなければならないという意識が働きます。
自己重要感を満たす
しかしまだ終わりではありません、あなたにはまだやる事があります。
心理学者のウィリアム・ジェームズは、言いました。
「人間の持つ性情のうちで最も強いものは、他人に認められる事を渇望する気持ちである」
これを「自己重要感」と言います。
最近SNSなどで「いいね!」と自分を認めて欲しい人の投稿で溢れていると思います。
人は「承認の欲求」を満たしてくれる相手に対して好意を持ちやすいのです。
薬局においての「いいね!」は検査値の聞き取りをしたら「すごいですね!」「良くなってきてますね!」などと結果に対してのリアクションをすることだと思います。
ここまでくれば、新患さんの時はあんなに急かしていた患者様も、あなたの事が大のお気に入り薬剤師になっている筈です。
急かすどころか長く話をして帰らなくなってしまっているかもしれません。
もちろん誰にでも必ず通用するものではありませんが、人間関係において知っていると役に立つ知識だと思います。投薬でも是非活用してみてください。
おわり