熱中症対策に経口補水液(ORS)を作ってみました

役に立つ話
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最近やたらとテレビで、熱中症に気をつける為の番組やニュースをよく見ます。OS-1も非常によく売れているので、卸さんからの入荷に時間がかかっています。それ程に今年の夏は猛暑みたいですね。

先日患者さんのおじいちゃんに「経口補水液のOS-1を先生から飲むように言われてるけど、1本210円もするから気軽には買えないなぁ」と相談されました。「砂糖と塩で経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)が簡単に作れますよ」とお伝えしたのですが、今度からレシピを渡せるように詳しく調べたいと思います。

まず経口補水液界の雄?である大塚製薬のOS-1の組成を見るためにホームページを見てみました。製品の特徴として「WHO(世界保健機関)の提唱する経口補水療法の考え方に基づいた飲料で、その組成は、経口補水療法を発展させた米国小児科学会の指針に基づいています。」と書かれてありました。

ちなみに組成は下記のような感じでした。ちょっとミネラルのバランスは手軽に再現できそうにないですね。

栄養成分表示

成分 オーエスワン100mL当たり
オーエスワンゼリー100g当たり
オーエスワンパウダー100mL当たり(溶解後)
エネルギー 10kcal
タンパク質 0g
脂質 0g
炭水化物 2.5g
食塩相当量 0.292g(ナトリウム115mg)
カリウム 78mg
マグネシウム 2.4mg
リン 6.2mg
ブドウ糖 1.8g
塩素 177mg

関与する成分の濃度

成分 オーエスワン・オーエスワンゼリー・オーエスワンパウダー(溶解後)
Na⁺ 50mEq/L
K⁺ 20mEq/L
Cl⁻ 50mEq/L
ブドウ糖 1.8%

大塚製薬OS-1サイトより引用

そこでWHOの提唱する経口補水療法について調べてみました。J-STAGEにちょうど良い経口補水療法の論文がありました。

経口補水液(ORS)は小腸において、水と電解質が最も早く吸収される濃度を想定して作る必要があります。小腸ではNaイオンと消化産物の共輸送機構での吸収と一緒に水が吸収されるからです。ブドウ糖至適濃度は1~2.5%、Naイオンとブドウ糖のモル濃度比は(1:1~2)で水の吸収が効率良いとの事。

※小腸にはNaイオンとブドウ糖の吸収機構であるSGLT1(sodium glucose transporter:Naブドウ糖共輸送機構)があります。ちなみに糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管という場所に限定的に存在しているSGLT2を阻害します。近位尿細管で再吸収されるグルコースのうち、90%はSGLT2の働きによるもので、残りの10%はSGLT1の働きによる。

経口補水液(ORS)の作り方は簡単で、水1リットルに塩3gと砂糖(できればブドウ糖)20~40gを混ぜるだけです。

実際にこの手順で作成してみましたが、美味しくはなかったです・・・クエン酸を加えたり飲みやすくする必要がありそうです。

ちなみに論文には各メーカーの経口補水液(ORS)のOS-1やアクアサポートだけでなく、経口補水顆粒やスポーツ飲料のアクエリアスやポカリスエットの組成比較一覧も掲載されています。

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