処方箋を1枚受け付けると調剤薬局の利益はいくらでしょうか?これは薬局によって異なります。
調剤薬局では薬剤師が薬を調剤し、お薬手帳を確認して相互作用や副作用をチェックします。必要があれば医師に疑義紹介をして変更してもらったりするといった作業を調剤報酬という形でお金をいただいています。
患者さんの中には、請求金額が純粋に薬代だけだと思っておられる方もいらっしゃるので、薬の処方期間が2倍の日数になっても2倍の薬代にならないので「安いね~」といったり、日数が半分になったのに「高いな~」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
調剤報酬の内訳は?
調剤報酬の内訳は基本的には、この三つから構成されます(他に特定保険医療材料)
①調剤技術料 (調剤基本料+調剤料+加算料)
②薬学管理料 (6ヶ月以内の再来局で手帳あり41点、手帳なし53点)
③薬剤料 (薬価を点数化したもの)
現行の全ての条件(地域支援体制加算や後発調剤体制加算)を満たしている薬局で処方箋を提出すると合計155点、つまり1550円が薬局の儲けになります。
※(①調剤基本料41点、地域支援体制加算35点、後発医薬品調剤体制加算26点 ②薬学管理料53点)
あとは①には処方日数により調剤料(例、1剤7日で35点)、各種加算料(麻薬70点、向精神薬、覚せい剤原料、毒薬8点など)が加わります。②にも加算(ハイリスク加算10点、乳幼児12点など)が加わります。
ちなみに③の薬剤料が実際に処方された薬の価格になります。薬価は決まっているので、数社の卸さんからできる限り安い見積もりを取って仕入れますが、薬価差益で儲けることは個人の薬局ではかなり厳しいものがあります。
ジェネリックなどでは比較すれば会社によっては大幅な値引きが見込めるものもありますが、価格だけで決定する事は安定供給や使用感、安全性など様々な問題があります。
門前のDrの出す薬が決まっていれば限定して仕入れることで在庫を抑えることができますが、面で様々な医院から処方箋を受ける薬局では、多種多様な薬が必要となるため在庫がかさみ経営を圧迫します。
当然薬には消費期限があるので棚卸しで期限の近いものは様々な方法で処分していく必要があります。
チェーン薬局だと各店舗間で融通しあうことができるので、そこまで神経質になる必要はありません。しかし個人薬局だと薬剤師会を通してやり取りしたり、あまり処方されない高価な薬だと分譲してもらったりと、できる限り在庫を増やさない努力が必要となります。
高い薬(偽薬問題で有名なハーボニーは1錠約5万円)が在庫で残って期限切れすれば、調剤料での儲けが簡単に吹き飛んでしまいます。個人薬局の運営には在庫問題が常に付きまといます。