薬学部で留年(国試浪人)決定時に考える事(学費・友人関係・モチベーション)

薬剤師免許
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3月も終わりを迎えようとしていますが、進級判定により留年や国試浪人が決定して4月からの新学期に重い気持ちでいる薬学生の方もいらっしゃる事かと思います。

「きちんと勉強をしたら留年なんてしない」と、ご両親からお叱りの言葉をいただいて真摯に反省している方もいるかもしれません。

しかし、人それぞれに様々な家庭の事情などもありますので、自分自身で反省できるところは反省して、留年した事実をプラスサイクル思考で考えて、この1年間を唯一無二の有意義なものにする事に全力を尽くしましょう。

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薬学部の留年率は?

文部科学省のサイトにある、薬学教育における平成30年度「各大学における入学試験・6年制学科生の修学状況」を見てみると、国立大学では5年次進級率が100%の大学もありますが、私立大学になると20%~90%台と幅広く分布しています。

さらに、5年次進級率から国家試験の合格率も考えた場合には、一度も挫折する事無くストレートで薬剤師の免許取得する事が難しくなっている事がわかります。

※大学によって退学者や編入者(新規入学者数からの乖離をなくすため編入学者を増やしている)がいる事を考えれば、多少の増減はあるかと思います。

私立大学薬学部の乱立により、入学時の学力が低下している事も大きな要因として考えられますが、薬学部全体で考えると半分近くの薬学生は、どこかで挫折を味わう可能性があるかと思います。

これは偏差値の高い薬学部であっても、6年間もの長い期間モチベーションを保ち続けて、国家試験の時点で体調を万全にして合格を勝ち取る事の難しさを物語っています。

私の時代でも、自分よりもはるかに賢くて外部模試で高得点を取っていたA判定の友人が国家試験で失敗した事例があります。

留年が決まった時に考える事(学費)

やはり、まず第一にお金の事かと思います。

薬学部の学費は私立大学であれば200万円前後かかりますので、ご両親にとっても頭の痛い問題です。

ご両親が「あと何年でうちの子供も卒業だなぁ…」などと考えている場合、今後の人生設計が狂ってしまいます。

奨学金で通っている学生さんでも大打撃です。

「学費+就労期間に得るであろう対価」を考えると500万円以上の損失です。

そして奨学金貸与中の学生さんは、奨学金が停止されます。

留年して2度目の同じ学年をする事になった場合は、奨学金の貸与がないので、その年度の学費をなんとか工面しなければいけません。

ご両親から借りる事ができない場合は、貯金やアルバイトで賄うしかありません。

しかし安易に稼げるアルバイトや消費者金融、グレーゾーンのお金に手を出す事で、学業が疎かになったり犯罪に巻き込まれる可能性がありますので、自分自身が出来る限りの範囲で無理なく学費を貯めましょう。

どうしても足りない分は、教育ローンなどを借りる為に親類縁者に頭を下げて保証人になってもらい、自分自身で言い訳できない状態を作り出す事ができます。

そうして何とか無事に、次学年へと進級できた時に「奨学生学修状況届」を提出して審査を受ける事で貸与が再開されます。

二度と留年、国試浪人する事がないように、生活習慣や体調管理、勉強方法など自分なりに工夫して望みましょう!

半年間の休学も考えてみる

奨学金が停止してしまい、どうやっても1年間の学費の支払いが厳しい場合は休学する事も視野に入れてみます。

前期と後期で持ち越しの単位数に差があれば、少ない単位数の期を休学とする事で、学費を半分近く抑える事ができます。

例えば、前期2科目、後期5科目で留年した場合を考えてみます。

前期の半年間を休学扱いとして、その間に一生懸命働いて後期分の学費を稼ぎます。

月に18万円を稼げば半年で、約100万円を貯める事ができます。

休学中の扱いは大学によって異なりますが、月々数万円(在籍料)の支払いで籍を残せる場合が多いかと思われます。

前期で学費をためて、後期で持ち越した単位を回収すれば、進級規定を満たして1年間の学費200万よりもずっと安く1年間を過ごす事ができます。

たった数単位の為に半期の学費100万円を払うのが困難な方は、試す価値はあるかと思いますので一度、所属する大学の学生課や教務課に問い合わせてみてください。

私の知人はこの方法で半年間の学費を支払わずに無事に進級することが出来ました。

留年が決まった時に考える事(友人関係)

今まで席次が近くで、いつも一緒に授業を受けて進級してきた仲の良い友人は上級生になってしまいますので、多少なりとも不安な気持ちがあるかと思います。

しかし通常では出会う事のなかったであろう、新しい友人が増えると考えると非常に良い事だと思います。

同じ大学にいながら、ご学友が通常の友人の2倍(2学年分)に増えたと考えましょう。

その中には一生付き合う事になる友人であったり、人生の伴侶である場合も考えられます。

人生は長い海路に例えられます、その時々同じ船に乗り合わせた人と助け合いながら、人生の目標に向かい進んでいきましょう。

留年が決まった時に考える事(モチベーション)

「本当に薬学部で良かったのか?」

「このまま進級しつづけて良いのか?」

「また留年して借金が増えるのでは?」

と、マイナスな事ばかり考える時間も出てくるかと思います。

しかし長い人生を生きていると、人間は必ずどこかで挫折を味わう時が来ます。

留年によって初めて挫折を味わった方は、今までが上手く行き過ぎていたのかもしれません。

この先きっと社会に出てからも、様々な挫折を味わう事があるかと思います。

もしも留年を受け入れて薬学部での生活を続ける事を決めたのであれば、この留年や国試浪人の期間をプラスの機会と受け止めて一生懸命頑張れば、必ずや人生のトータルで考えた場合はプラスとなる筈です。

人生最後の時に「幸せな人生だった…」と思えればそれで良いのです。

留年中にやりたい事を考えてみました

留年中は先取りで次年度の単位を取得する以外は、取りこぼした単位を取るだけなので比較的時間に余裕があるかと思います。

普通に薬学部を卒業して、新卒で就職してしまうとなかなか出来ないであろう事を、この期間を利用して有意義な1年を過ごしてみては如何でしょうか?

既に社会人となった自分が、もし留年したらやっておきたい事を考えてみました。

調剤事務として働く:薬剤師として働き出すとレセコン入力する事が少ないので、あらかじめ調剤報酬実務をマスターしておく

登録販売者の取得:ドラッグストアでバイトする時にOTC販売で役立つ、薬剤師国家試験の練習にもなる

運転免許取得:運転免許を持ってなければ合宿免許で安い期間に取得する

語学留学:働き出すと英語で困る事が多いので語学留学をしてみたい

海外旅行:働き出すと長期休暇が大変取り難くなります。よってバックパッカーとして世界一周旅行をやってみたい

他にも色々な事が出来るかと思いますが、こんな事を色々と忙しくやっていると、あっという間の1年かと思います。

若いうちの失敗はいくらでも挽回することができます、一生を変えるような有意義な1年間になるように頑張ってくださいね。

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