先日、合同会社の法人登記をするために法務局に行ってきました。
会社の登記は司法書士さんに依頼する事が多いかと思いますが、自分でもできる様なので後学のために自身でやってみる事にしました。
個人事業主か法人か?
起業と言えば、週末起業のように個人事業主で開始してある程度軌道に乗ってきてから法人化する方も多いかと思います。
個人事業主であれば開業届を提出するだけです、そして赤字だと税金はかかりません。
さらに特定期間は消費税免除も2年間受けることができます。
しかし法人設立するとなると、赤字でも法人住民税の均等割りが毎年約7万円かかります。
おそらく最初は個人事業主で起業する方が無難かと思われます。
さらに消費税の免税期間を考えれば、ある程度の売上がたってから法人成りしたほうが良いという話も先輩起業家などから聞いてました。
ただし業務内容的には法人である方が良さそうだという事から、今回は法人にする事にしました。
事業内容が免許制の場合は、個人から法人成りで新たに取り直す必要があります。
法人を選択する理由は人によって様々ですが、例えば介護事業等は許認可の取得に法人である事が要件となっていますし、投資の資産運用会社等はレバレッジや損益通算等の関係で法人が有利になようです。
株式会社と合同会社
考えていた選択肢としての法人には、株式会社と合同会社(LLC:Limited Liability Company)があります。
これらは合名会社や合資会社と違い、株式会社と合同会社は有限責任なので仮に会社が倒産したとしても個人財産での弁済義務がないそうです。
(※以前に有限会社というものがあったかと思うのですが、すでに新規での登記はできないようです)
よってこの二つに絞って、株式会社と合同会社について違いを調べてみました。
まず株式会社と合同会社の資本金は自由に決めれるので1円でも良いみたいですが、登記費用などで各々約20万円と約6万円(電子定款による場合)と違いがあります。
さらに株式会社の場合は決算時に官報掲載費として毎年6万円かかりますが、合同会社は決算公告の義務がないのでさらにお得です。
合同会社のデメリットを調べても、法人格の知名度や資金調達の難しさ(上場できない)など自分の考えている事業内容と規模からすれば、さほど気にする事はなさそうでした。
そしてアップルやアマゾンも日本法人は合同会社だという事です、流行に弱い私は手続きも簡単で費用的にも圧倒的に安い合同会社にする事にしました。
ちなみに合同会社の「合同」という名称の意味を調べてみたところ、特別な意味はなく「合名」会社や「合資」会社と同じ様に「合」の字を揃える意図から選ばれたそうです。
代表社員と業務執行社員とは?
合同会社では出資した人や法人を「社員」と呼び、通常の社員とは意味合いが異なります。
合同会社では出資をしていない労働者は「従業員」となっています。
合同会社の出資者は定款に定めがない限り、全員が業務執行社員で代表社員となります。
しかし代表社員が複数いると意志決定が難しくなる事もあり、定款において代表者を一人に決める事も出来ます。
そうする事で普通の業務執行社員には代表権がなくなり、定款で決められた代表社員だけが代表権を持つ事になります。
よって定款によって代表社員は複数いる場合もあれば、一人だけの場合もあります。
今回は私一人が出資者(出資した範囲で債務を負う)なので、代表社員も業務執行社員も私という事となりました。
会社の登記方法について
調べてみると、まず以下の2点が必要という事でした。
②会社の印鑑
個人の印鑑証明は、住宅購入した時などに作る事が多いので持っている人が多いかと思います。
そして会社の法人印鑑は、Amazonで購入しておきました。
偽造されたり欠けたりしないようにチタン製が良いと聞いていたのですが、お金がないので木製の安いものにしました。
3本セットなのですが、それぞれの使用目的を理解しておきました。
- 実印(代表者の印)…登記時に印鑑登録する印鑑で、契約書など重要な時に使用する。
- 角印(みとめ印)…請求書や領収書などの普段使いに使用する。
- 銀行印‥銀行通帳に使用する。
法人登記に必要な手続き書類(電子定款等)については、行政書士さんにお願いして作ってもらいました。
会社・各種法人の登記受付は1階で行われています。
入り口を入ってすぐの印紙売り場で6万円の収入印紙を購入して貼り付けました。(※金券ショップで購入すれば少し安く購入できます)
縁起の良い日を選んでいたので、自分以外にも法人登記の窓口には何人か並んでいます。
データの裏付けはありませんが、スタートアップした会社の5年生存率は1割程度とまことしやかに言われています。
イギリスの自然科学者であるチャールズ・ロバート・ダーウィンが言うように「変化できるものが生き残る」のであれば、業種にこだわることなく柔軟にやっていきたいと思います。
休眠会社の確定申告の方法
コロナ禍により休眠する事になった法人さんもあるかと思います。
わが法人もコロナ禍により休眠状態となりました‥。
確定申告を税理士さんに頼むのも費用の面で大変かと思いますので、また自分で調べてやってみました。
ちなみに今回の記事は既に休眠の手続きは行っている場合で、休眠会社が行う必要がある毎年の確定申告についてのお話になります。
税務署から送られてきた確定申告書の書類(別表1)に必要事項を記載して「休業中」と大きく書いて提出しました。
税務署に持っていくと窓口で「ここと、ここの数字を書いてください」と言われたので言われたままに記入して提出しました。
資産や負債の変動がなかった年に関しては貸借対照表と損益計算書は必要ありませんでした。
よって自作したエクセルデータは今期は出番なし。
次に提出書類の控えを持って地方税の窓口である市税事務所へ向かいました。
しかし窓口のお姉さんに「こちらでは休業中の確定申告の手続きは特に必要ありません」と言われましたのでこれにて終了です。
参考につみたてシータさんの休眠会社の決算書・確定申告書の書き方を見させていただきました、勉強になりました有難うございます。
合同会社の代表社員変更登記にかかる費用は?
前途有望な新入社員がわが社に加入する事になりました!
そこで業務執行社員の加入と代表社員の変更手続きを行いました。
ネットで検索して最上位に出てきた会計事務所のによると、収入印紙は各々の手続きに各1万円で合計2万円が必要だと記載していました。
しかし違う税理士事務所さんのサイトでは1万円と書いています。
いったいどちらが正しいのか?
そこで法務局に確認したところ「役員関係の登記はすべて含んで1件と数えるので1万円のみで大丈夫ですよ」との回答をいただけました。
定款に記載されている内容で資本金の増額などがあれば別途必要になるが、今回のような社員の加入と代表の変更は役員関係の登記事項として全てまとめて申請する事ができます。
自分で申請するにあたり、伊丹のまつやま税理士事務所さんのサイトを参考にしました。
持分譲渡をして代表者の変更をする場合が、大変わかりやすくまとめてあります。
現在の代表社員が出資金全てを持ち分譲渡して退任する場合は、辞任届や職務執行者就任承諾書はいらないそうなので、法務局HPを参考に作成すれば良さそうです。
さらに法務局の無料相談を予約して、職員さんに確認してもらってから提出すれば安心だと思います。
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