【読書感想】在宅医療報酬算定ビギナーズ(たんぽぽ先生)南山堂

在宅医療
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在宅医療報酬算定ビギナーズ(たんぽぽ先生)南山堂を読んでみました。

調剤薬局において普段やっている在宅医療(施設や個人宅共に)の業務は、調剤業務として氏名や用法を印字した一包化して患者さんに配達しお薬カレンダーにセットする。

そして居宅療養管理指導報告書(医療保険では訪問薬剤管理指導報告書)を作成して提出する。

たまにサービス担当者会議やカンファレンス等で医師や看護師、患者さんからの質問に回答するといった事が中心かと思われます。

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在宅医療報酬算定ビギナーズ

今回読んだ書籍の内容は訪問看護ステーション等で必要な知識が多かったのですが、在宅医療に関する本当に基礎的な内容も在宅医療報酬算定ビギナーズ(たんぽぽ先生)南山堂から学ぶことができました。

たんぽぽ先生こと永井康徳先生による超明解な解説で,難しい在宅医療制度の報酬算定を一から学ぶ人にピッタリの一冊.

毎年開催され,約3,000人が参加する「全国在宅医療テスト(ゆうの森主催)」ビギナー版の公式テキストであり,本書からビギナー版のテスト問題が作成されます.

改訂2版は診療報酬改定2022年度に対応した最新版です.復習に最適な章末問題も初版から掲載問題数を大幅に増やしており,これからテストを受ける方には必読の内容です!

もちろん,テスト受験者以外の方も,はじめて在宅医療に取りかかる方,在宅クリニックや訪問看護ステーションなどの新入職員の研修や初期学習にもオススメできる本です.

引用:南山堂

目次(もくじ)

この書籍の【もくじ】は以下の様になっています。

  1. 在宅医療の制度―学ぶメリットと制度の概要―
  2. 患者が利用可能な在宅サービスがわかる「5つの呪文」
  3. 訪問診療と往診の違いをマスターしよう
  4. 在宅患者を守るために医療機関が算定する管理料
  5. 訪問看護をフル活用するためにこれだけは知っておきたい
  6. 高難度!? 訪問リハビリテーションを攻略しよう
  7. 多職種で行う退院支援とカンファレンスの基礎知識

薬剤師が出てくるところは第7章の退院時支援とカンファレンスのあたり位ですが、本当に在宅医療の基本的な内容から学べますので、今まで何気なくケアマネさんや訪看さんから聞いていた言葉や内容等が腑に落ちる事かと思います。

在宅医療を行うクリニックが算定する診療報酬、訪問看護が算定できる診療報酬と介護報酬、訪問リハビリが算定できる診療報酬と介護報酬、退院支援やカンファレンス等の多職種連携が必要な時の診療報酬がテーマごとにまとめられているので理解しやすいです。

そして最後の章末問題で理解を深める事も出来ます。

在宅医療にかかわる専門職の一つである薬剤師としても、この制度の知識をしっかりと理解しておく事も必要かと思われます。

障害者福祉制度と公費負担制度

第一章では本当に基本的な内容である、在宅医療に関する3つの制度(①医療保険、②介護保険、③福祉や公費負担制度)から学ぶことができます。

例えば障害者福祉制度において、薬局にも関係がある障害者手帳3種類の交付対象についてご存じでしょうか?

  1. 身体障害者手帳(視覚障害、聴覚また平衡機能障害、小腸の機能障害、肢体不自由等)
  2. 精神障害者手帳(統合失調症、てんかん、発達障害、うつ病、双極性障害等の気分障害等)
  3. 療育手帳(基本的には18歳未満に生じる知的障害:自治体により名称や等級区分は異なる)

また在宅医療に関係が深い公費負担医療制度(自立支援、特定疾病、小児慢性特定疾病医療費助成、医療補助)について、公費が優先されるものと医療保険や介護保険が優先されるものがあります。

それらの対象者や患者の自己負担割合は把握していますか?

あと厚生労働大臣が認める疾病等別表第7と、状態等別表第8に該当すると特例が認められるので知っておくと便利です。

基本的には第2章で患者が利用できるサービスを判断する5つの呪文として書かれてあります。

  1. 年齢
  2. 主病名
  3. ADL
  4. 医療処置
  5. 居住場所

これらにより、窓口負担額や介護保険が利用できるか?、疾病等別表第7や状態等別表第8に該当するか、どのサービスを利用することができるのか?が分かるようになります。

訪問診療と往診の違いは?

他の章においても在宅医療の基礎的な学びがあります、例えば第3章では「訪問診療」と「往診」の違いをしっかりと理解できます。

実はこの言葉を間違ってケアマネさんや看護師さんに使うと「ドキッ」とさせてしまう可能性があります。

他にも「同一患家」と「同一建物居住者」の概念についても記載があります。

またコラムの内容「患者と信頼関係を築く方法」等もとても為になります。

薬剤師も訪問して患者さんと話をする事があります、まずは相手の目を見てしっかりと会話して患者さんに味方だと思ってもらい困りごとを解決して信頼を得る事が大切です。

退院前カンファレンスの算定要件は?

そして第7章算定要件となる職種(歯科医師、歯科衛生士、薬局薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ケアマネージャー、相談支援専門員)を理解すると、普段あまり必要とされていない薬剤師がたまに呼ばれる意味も理解できるかと思われます。

そして入院時⇒入院中⇒退院前or退院時⇒退院後自宅にわけて、利用者の支援と診療・介護報酬の流れをしっかりと理解することができます。

この書籍をしっかりと理解したら「全国在宅医療テスト(ゆうの森主催)」を受験してみるのも良いかもしれませんね。

そしてより詳しく踏み込んだ内容がたんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアルになります。

おわり

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