過敏性腸症候群治療薬トランコロンとトランコロンPの違いは?

トランコロン 薬の勉強

今日は少し苦手にしている患者さんがやってきて、いつものように「早く薬を準備しろ!」と急かしてきました。

後からやってきても「他の患者より自分の薬を先に準備して欲しい」という自分勝手な要求を上手く納得させる方法はないでしょうか?

その患者さんにも出ている薬でトランコロンという過敏性腸症候群の薬があります。

過敏性腸症候群治療薬には、合成高分子化合物のコロネル、ポリフル(ポリカルボフィルカルシウム)といったものや、5-HT3受容体拮抗約のイリボー(ラモセトロン塩酸塩)、そして抗コリン薬のトランコロン(メペンゾラート臭化物)などがあります。

今回はその中でもトランコロンについて調べてみました。トランコロン系統には3種類ありトランコロン、トランコロンP、イリコロンMと名前が少しずつ違います。

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トランコロンとトランコロンPの違いは?

まずトランコロン錠の成分は、抗コリン作用を有する4級アンモニウム塩のメペンゾラート臭化物で、1錠中に7.5mgが含まれています。

【薬 効 薬 理】
1.メペンゾラート臭化物
生体位消化管の自動運動抑制作用及び攣縮緩解作用1)~3)、腸管輸送能に対する作用4)、あるいは胃・大腸
反射に対する作用3)等についての基礎実験結果から、メペンゾラート臭化物の鎮痙作用は上部消化管に対するより、下部消化管により強くあらわれることが確認されている。

作用部位は、上部消化管に対するよりも下部消化管に対してより選択的です。
作用機序は、副交感神経遮断作用に基づく消化管運動抑制作用になります。

名称の由来はインタビューフォームで確認しましたが「該当資料なし」との事です。私の勝手な憶測では、ラテン語のtransが「向こう側へ」という意味合いがあるので、colon「大腸、結腸」と合わせた造語ではないかと考えて勝手に覚えています。

【効能・効果】過敏大腸症(irritable(過敏な~) colon(大腸、結腸):イリタブルコロン)
【用法・用量】メペンゾラート臭化物として、通常成人1回15mg(2錠)を1日3回経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減する。

抗コリン作用を有する4級アンモニウム塩ですので【禁 忌】として当然、緑内障、前立腺肥大に注意が必要です。

【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】

1緑内障のある患者[眼圧亢進を助長し、症状を悪化させるおそれがある。]
2前立腺肥大による排尿障害のある患者[排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮を起こし、排尿障害を悪化させるおそれがある。]
3重篤な心疾患のある患者[心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。]
4麻痺性イレウスのある患者[消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある。]
5本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

トランコロンPの成分は?

次にトランコロンP錠の成分は、抗コリン作用を有する4級アンモニウム塩のメペンゾラート臭化物7.5mgと、フェノバルビタール15mgが含まれています。

トランコロンPの「P」はPhenobarbitalの「P」だったのです。

インタビューフォームにも名称の由来は「トランコロンにフェノバルビタール(P)を配合した製剤であることから命名された」と記載があります。

どうして不眠症や不安緊張状態の鎮静、てんかんのけいれん発作に使用されるバルビツール酸系のフェノバルビタールが加えられたのでしょうか?

それは過敏大腸症の病因として精神神経的因子も重要視されています。その病状と病因の相互関係を是正する目的で、フェノバルビタールが配合されているそうです。

【薬 効 薬 理】
フェノバルビタール
長時間型のバルビツール酸系薬剤で少量投与により軽い鎮静効果をあらわすことが知られている。

【効能・効果】過敏大腸症(irritable(過敏な~) colon(大腸、結腸):イリタブルコロン)
【用法・用量】通常成人1回2錠を1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

フェノバルビタールが含まれている分、トランコロン錠の【禁 忌】と一緒でない事に注意が必要です。

まず緑内障、前立腺肥大に注意が必要です。さらに急性間欠性ポルフィリン症のある患者が追加されています。併用禁忌の薬も沢山あるので自信がない場合はその都度添付文書を確認しましょう。

【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】

緑内障のある患者[眼圧亢進を助長し、症状を悪化させるおそれがある。]
2前立腺肥大による排尿障害のある患者[排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮を起こし、排尿障害を悪化させるおそれがある。]
3重篤な心疾患のある患者[心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。]
4麻痺性イレウスのある患者[消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある。]
5本剤又はバルビツール酸系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

急性間欠性ポルフィリン症のある患者[ポルフィリン合成を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]

ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、アスナプレビル、ダクラタスビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル、バニプレビル、マシテンタン、エルバスビル、グラゾプレビル、チカグレロル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、リルピビリン、リルピビリン・テノホビル ジソプロキシル・エムトリシタビン、ダルナビル・コビシスタット、アルテメテル・ルメファントリン、エ
ルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

最後にイリコロンM錠についてですが、効能・効果は同じく過敏大腸症(イリタブルコロン)になります。しかしこちらは成分がピペタナート塩酸塩1.5mg及びアカメガシワエキス70.0mgと異なります。

しかしピペタナート塩酸塩が入手困難になり製造中止となってしまったようです。ピペタナート塩酸塩はアセチルコリン、塩化バリウム、ヒスタミン、ピロカルピンによる摘出腸管の収縮を抑制し(マウス 、ラット、モルモット 、ウサギ)、胃液、胃酸の分泌を抑制する(幽門結紮ラット)の効果があったみたいです。

 

 

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