以前から面白いと聞いていた薬剤師が主人公の漫画「アンサングシンデレラ」をようやく読む事ができました。
調剤薬局の薬剤師ではなく、病院が舞台なので病院薬剤師さんが主人公です。
アンサングとは(unsung:詩歌にうたわれていない、詩歌によってほめたたえられない)の意味だそうです。
アンサングヒーロー(unsung heros:ほめたたえられない英雄達)からわかるように、アンサングシンデレラは、病院内で影ながら医療の助けとなっているであろう病院薬剤師の主人公「葵みどり」さんの事かと思われます。
調剤薬局では、医師や弁護士の様なドラマが起きる事はなかなかありませんので、かろうじて病院を舞台にして漫画にしていただけました。
医療従事者で医師や看護師の漫画は沢山ありましたが薬剤師で本格的に連載された漫画は初めてなのかな?コミックゼノンのサイトで1話が無料で読めますので是非ご覧下さい。
第一話を読み始めると、主人公の葵みどりさんは、6年制薬学部出身の薬剤師である事がわかります。
そして内容の主軸は「テオフィリンとたばこの喫煙」に関する内容です。
たばこはCYP1A2を誘導する事で併用薬の代謝に関係があります、よって問診で聞き取りをする内容の一つです。
今まで喫煙習慣のあった患者さんが禁煙を始めた事で、医薬品の代謝が抑えられて副作用が発現する可能性があります。
今回の漫画の様にテオフィリンはたばことの併用に注意が必要な医薬品の代表的なものです。
他にも禁煙時に注意の必要な併用薬として3つのリンは必ず覚えておきましょう。
- テオフィリン
- ワルファリン
- インスリン
たばこを吸っていると薬によっては効きにくくなるという、薬剤師にとってはあたりまえの内容も患者さんは知らないことが多いです。
よって禁煙をする事で今まで服用していた薬の作用が強くなる可能性を必ず患者さんに伝え、医師が禁煙の事実を知らない場合は疑義照会をして用量の調整が必要でないか確認してみましょう。
「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵 みどり」
荒井ママレ 医療原案:富野浩充
総合病院の薬剤師として働く、葵みどり・26歳。
医師のように頼られず、看護師のように親しまれなくても、今日も彼女は患者の「当たり前の毎日」を守るため、院内を駆け回る!!称賛されなくてもあなたを支える医療ドラマ!!
医療原案の薬剤師さんのブログも合わせて読むと、さらに面白く読めるかと思います。
薬剤師ならではのあるあるや、良く知っている話を非常に上手くストーリーに落としこめていて勉強にもなるのでオススメです。
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