6年制薬学部の学生さんに対して、病院や薬局の実務実習で指導するために必要な資格である「認定実務実習指導薬剤師養成のためのワークショップ」に参加してきました。
ここで言うワークショップとは仕事場、作業場といった意味合いでなく、参加者が自発的に発言する事で学びを得る講習会を指しています。
つまり認定実務実習指導薬剤師養成のためのワークショップとは、認定実務実習指導薬剤師を養成するための参加型講習会という位置づけになります。
前回の講習会の受講についてはこちらから。
認定実務実習指導薬剤師を取得するための条件
今回の①認定実務実習指導薬剤師養成のワークショップと②講習会形式の研修会の両方を受講する事で、認定の申請が可能となります。
私も前回に講習会(座学)を受講済みなので、今回の二日間のワークショップに参加して修了すれば認定される事となります。
受講資格は薬剤師としての実務経験が5年以上必要です。
※6年制薬剤師は受講する時点で継続して3年以上(1週間あたり3日以上かつ20時間以上)あれば受講できるが、認定の申請は5年以上の実務経験が必要
今までに認定実務実習指導薬剤師を取得されてきた先輩薬剤師の話を聞くと「本当に大変だった‥」、「長時間で疲れた‥」という声が多く、少しばかり憂鬱な気持ちでした。
しかし終了した今の気持ちは「参加して本当に良かった」という思いです。
ワークショップ初日の回想記
ワークショップ初日は朝の8:45集合から始まり、終了は夜の20:00です。
二日目も朝の8:45から18:00終了なので、拘束時間はかなり長く覚悟して会場へと向かいました。
会場の大学までは約1時間半はかかるので、早朝5時半起きで準備をして眠い目をこすりながら7時に自宅を出発しました。
朝早くから普段乗る事のない電車に乗って、知らない場所に行くのでちょっとした旅行気分です。
大学の最寄駅から10分ほど歩いてようやく大学に到着すると、既に会場である教室は参加者で一杯になっていました。
まず自己紹介から始まり小さなグループに分かれて、ほとんどの時間は学生の指導方法についてのディスカッションが中心となります。
各々テーマが与えられてグループごとにひたすら討論と発表です。
お昼ご飯は主催者側からお弁当が出るので一息休憩したら、再び討論、発表です。
ティータイムにお菓子をいただいて、討論、発表です。
そして1日中討論、発表の繰り返しでした。
初日は懇親会があったので、他の薬局や病院、大学で働く薬剤師さんと情報交換会を行いました。
他の職場ではどの様な仕事の段取りをしているのか?、今仕事で悩んでいる事は?など‥、日ごろ一人薬剤師の薬局で狭い世界にいる自分にとっては本当に楽しいひと時でした。
色々なお話をさせて頂きましたが印象的だった薬剤師の先生の話がありました。
職場近くでお葬式の立て看板を見つけて、自分自身が調剤した患者さんだった時に「自分が調剤ミスしたせいじゃないか?」って不安に思う時があります。
という話でした‥。
自分自身も常に調剤ミスが無かったかな?と不安な気持ちを常に持っているので共感する所でした。
ワークショップの初日は予定通り20:00に終わったのでそのまま会場を後にしました、そして初日には宿題(レポート)が出ました‥。
ここで私は思案しました。
このまま帰宅すると22時近くになります、それからお風呂に入って休憩して課題を仕上げると寝るのが24時頃です。
次の日には早朝5時半に起きて準備して、1時間半電車に揺られて再びこの地に来る事を考えると、近くのビジネスホテルに泊まった方が朝が楽そうです。
私は出川哲郎さんの「充電させてもらえませんか?」で電動バイクで行く様々な旅先で普段なら宿泊しないであろう宿に行き当たりばったりで宿泊するシーンが一番好きなので、この二度と来る事のないであろう土地で行き当たりばったりで宿泊したくなってきました。
そして誘惑に負けて、スマホで見つけた近くの最安値の民宿を見つけて宿泊する事にしました。
予約した宿は大学から歩いて10分ほどの場所にありました。近くのコンビニで夜食に、たまご蒸しパンと野菜ジュースを購入してお宿に向かいました。
到着した民宿の玄関を開けると人のよさそうな女将さんが出迎えてくださいました。そして宿のご主人もとても親切で最高のご夫婦でした。
さらに朝食も付いているので明日の朝が楽しみです、そして10分で大学までいけるのでギリギリまで寝ている事ができます。
案内された部屋には既にお布団が敷いてありました。そして夜はまだまだ冷えるので毛布も用意してくださっていました。ご夫婦のお心遣いが疲れきった心身に染みました‥。
そしてシャワーを浴びて布団で寝っころがってレポートを仕上げました。
今朝は早起きだったのでクタクタになって眠りにつきました、何だか試験前の学生時代に戻ったような懐かしい気持ちです。
ワークショップ二日目の回想記
朝起きて再びシャワーを浴びて目を覚ましました。食堂に行くと朝食が準備されていました。焼き魚や目玉焼きと味噌汁、ご飯は食べ放題です。女将さんが温かいお茶を入れて下さいました。
ご夫婦に送り出して頂き下宿している大学生の様な初々しい気持ちで大学まで行きます、歩いて10分程なので本当に楽をさせて頂きました。本当にありがとうございました。
そしてワークショップ二日目は同じく初日の内容をブラッシュアップして討論、発表を行いました。
最終は同じグループのそれぞれの班の発表に対して意見をぶつけて終了となりました。
終了して大学を離れる時には、グループにかすかな連帯感が生まれていた様な気がします‥(私だけかも?)。
そして最寄の駅から電車に乗って再び各々の日常生活へと戻っていきました。
実習に来られる薬学生さんにとって意義のある実習であってほしいとの思いから、参加者は本当に真剣で薬剤師としての業務に誇りを持っているであろう先生方ばかりでした。
日常の業務に忙殺されて薬剤師になった頃の気持ちを忘れかけていた自分にも本当に刺激になりました。
学生さんに「こいつ何にも知らんなぁ」と思われないように頑張って知識をブラッシュアップしたいと思います。
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