薬剤師の調剤薬局承継とM&Aについて

独立開業
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M&Aとは(Mergers and Acquisitions・マージャーズ アンド アクイジションズ)の頭文字をとった略語になります。

Mergersは合併、Acquisitionsは買収という意味を持っています。

個人が薬局を買う場合におけるM&Aは、Acquisitions(買収)の方を意味する事が多いかと思われます。

「M&Aなんて大企業だけの話じゃないのかな?」と思われがちですが、最近「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門」で話題になった様に、調剤薬局の個人での承継はスモールM&Aにあたります。

政府や自治体も跡継ぎのいない事業の承継を後押ししており、各地方自治体だけでなく様々なM&A会社が企業活動をしています。

調剤薬局の事業承継についても多くの会社が存在しますので、調剤薬局に精通したM&Aを専門とした会社やコンサルタントを選択する必要があります。

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M&A業者も玉石混淆

M&A業者も、不動産仲介業者と同じくらい怪しくいい加減な業者がいるかと思います。基本的にどのような業種の仲介業者も手数料商売なので、とりあえず契約がまとまれば良いと考えている業者も存在します。

書籍に書かれてあるM&Aは大規模な企業について書かれてあるものが多く、個人での小規模薬局の購入とは異なる部分もあるかと思われますが、M&Aというものについて調べてみました。

M&A業者(仲介専門とアドバイザリー)について

M&Aを支援するコンサルタント業者さんには2種類あるそうです。

仲介専門の業者さんは、売り手・買い手の間を取り持ちマッチングをさせて双方から手数料を貰います。

アドバイザリーは、売り手・買い手のどちらかと契約して、一方から手数料を貰って相手を探し出します。

どちらかの立場に立つので、売り手であれば出来る限り高く売れるようにします、買い手であれば少しでも有利な条件で買える様に便宜を図ります。

こうして売り手の経営者は、M&Aの業者さんと薬局の売却活動をする契約を結びます。

そして条件交渉する場合は「相対交渉方式:一人づつ交渉していく方法」と「入札方式:複数の買い手から条件を提示してもらいその中の一人と契約する方法」があります。

買い手を選ぶような経営者であったり、薬局の市場価値が高く、出来る限り高く売却される事が見込まれる場合は入札方式が選ばれるようです。

よって薬剤師がM&Aの業者さんから案件の紹介を受けた場合、仲介専門なのかアドバイザリーなのかを知っておく必要があるかと思われます。

M&Aは事業承継する方法の一つ

まず薬局の経営者が薬局を売却する場合、どの様に売却先を探すのでしょうか?

経営者に息子さんがいれば親族内で承継します、引き継ぐ従業員がいれば親族外承継(MBO)します。

そして第三者に売却する場合が(M&A)という方法になります。

そしてM&Aを実際に行うためには売却先を探す必要がありますが、自分で探し出す事はかなり難しい事が想像できるかと思われます。

仮に知り合いで探し出したとしても、法務的な面、税務的な面をクリアにしてから条件を交渉して、契約するには専門的な知識と膨大な労力が必要となります。

そこで薬局の経営者は、M&Aを専門にする仲介業者さんに薬局の売却をお願いする事になります。

M&Aのコンサルタントには特別な資格は必要としないため、金融機関や会計事務所、商工会議所も相談の窓口として考えられます。

株式譲渡と事業取得とは?

スモールM&Aで調剤薬局を買収する場合は、株式譲渡事業取得の2つの方法があります。

①株式取得は、現在の株主(経営者や親族等)から株式を譲り受けます。

株式譲渡・株式交換・第3者割当増資などの方法があります。

会社は株主のものなので、譲り受けた者が新しい株主となり、資産、負債、従業員などは対象会社に残ります。

②事業譲渡は、対象会社はそのままで事業のみを譲り受けます。

例えば「薬局事業・介護事業」を行う会社が「薬局事業」だけを売却する場合です。

不採算だったり、薬剤師の確保が難しい事などを理由に売却されます。

事業譲渡では、事業を運営する会社が変わってしまうため、賃貸契約や従業員の雇用契約、光熱費、通信費など新たに契約する必要があります。

今いる薬剤師さんや、事務員さんはいったん退職して雇用契約を結び直す事になりますので、雇用条件の変更も可能となります。

このように、M&Aといっても薬局を買い取る場合には色々な方法があり、売り手の規模や、買い手が個人、法人により買収方法の選択が異なってきます。

M&A業者が算定する売却価格

M&A業者と売却する契約をして、いくらぐらいで売却したいのかを決定します。

売却価格を算定するには、様々な方法があります。

  • コストアプローチ(簿価純資産法・時価純資産法
  • インカムアプローチ(収益還元法・DCF法)
  • マーケットアプローチ(取引事例法・類似会社比準法・類似業種比準法)

中小の会社の売却価格を算出する方法として「時価純資産法」をベースとした以下のものが利用される事が多いようです。

のれん代(営業利益の3~5年分) + 純資産額(資産と負債の差額)

もちろん売り手と買い手の希望や思惑により、交渉価格に開きが出る場合があります。

よって価格交渉ではいくつかの方式を併用して価格を設定する場合があります。

しかしM&Aが初めての薬剤師が買い手である場合は、こういった知識を持ち合わせている事は少ないかと思われますので言い値で購入してしまう可能性も考えられます。

承継案件の紹介を受けた時に、貸借対照表・損益計算表を見る事になりますので、これらの試算表を見たときには、ある程度の判断ができる必要があります。

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