小児神経芽腫にCa拮抗薬アムロジピン錠の処方

薬の勉強
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神経芽腫の小児患者さんにアムロジピンが処方されていたので、神経芽腫の病態について調べてみました。

神経芽腫は、乳幼児期に発見されることが多い小児に発生する腫瘍の一種です。

治療に関しては手術により腫瘍を取り除いたり化学療法、または自然退縮により治癒する場合もあるので経過観察を行う事もあります。

神経芽腫による高血圧は、腫瘍が副腎髄質や交感神経幹に発生した場合に神経伝達物質であるカテコールアミンが産生されることによって引き起こされる内分泌性の高血圧であると考えられています。

これらのカテコールアミンの代謝物により尿検査(尿中VMA/HVA)や、血液検査等により診断がされます。

カテコールアミンを産生する腫瘍には、高血圧や頻脈、体重減少等の羸痩(るいそう)が症状としてあらわれる事が考えられます。

「小児期心疾患における薬物療法ガイドライン(高血圧)」では、小児高血圧に使用される事のある降圧薬のリストが記載されています。

そこで小児高血圧症に対する適応・用量設定がある降圧薬として、今回の処方でも使用されているCa拮抗薬のアムロジピンだけでなく、ARBのバルサルタンや、ACE阻害薬のエナラプリル、リシノプリルの4剤が挙げられています。

Ca拮抗薬に関する処方については以下のように記載がありました。

今回の患者さんは年齢6歳以上でアムロジピン5mg錠が処方されていたので、最大量が投与されていました。

Ca拮抗薬 アムロジピン

  • 本邦での小児への承認高血圧症(6 歳以上)
  • 本邦の小児の用法・用量 1日1回2.5mg、適宜増減、1日最大5mg
  • 海外での小児の投与量 2.5-5mg/日、分1、あるいは 0.06-0.3mg/kg/日、分1

小児の高血圧に関する薬物療法ガイドラインより引用

出典:大日本住友製薬

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