【ニュース】アザニンとフェブリクの併用禁忌で医師と薬剤師を提訴

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アザニンとフェブリクは併用禁忌

先週のニュースで決して他人事ではない調剤監査ミスがあったので、内容をしっかりと理解したうえで他山の石としたいと思います。

併用禁忌としては比較的有名なものなので、初回の問診での聞き取り漏れだったのか、お薬手帳での見落としだったのか、薬局内が忙しい時間帯で慌ただしく急かされて投薬してしまったのか、現時点で不明です。

しかし投薬時には「こちらの薬には一緒に服用することができない薬があります、現在服用中のお薬はありませんか?」と一言聞いておけば未然に防ぐ事が出来た可能性が高そうです。

ただ、薬局での業務中には本当に一瞬で集中力と思考力を欠かせる様々な出来事が突発的に起こるので、自分には絶対にないと言い切ることができないのがこの仕事の怖い所です…。

服薬指導中に他の患者が割り込んで話しかけてきたり、イライラして怒り出す患者が怒鳴って薬を投げつけてきたり、同僚が患者とけんかしてレジのお金をぶちまけたり、患者がトイレを詰まらせて水が逆流して待合室が水浸しになったりと本当に様々な出来事が起こる場合があります。

そのような時には十分な注意が必要です。

潰瘍性大腸炎の男性、薬の処方ミスで「死ぬ思いをした」医師と薬剤師を提訴

一緒に飲むことを制限されている薬を処方されたことで極度の貧血状態となり、17日間入院した東京都の男性(49)が10月12日、薬を処方した医師と調剤した薬剤師に過失があったとして、慰謝料など約1110万円をもとめて東京地裁に提訴した。

原告の電気工事士・新城祥敬さんは、潰瘍性大腸炎の持病がある。提訴後の会見で「医師も薬剤師も謝罪もない。併用禁忌について患者は何もわからず、お医者さんと薬剤師さんを信用して飲むだけ。怖い思い、死ぬ思いをしました。謝罪だけでなく、反省してほしい」と話した。

●顔色が真っ白で極度の貧血に 訴状や会見での説明によると、潰瘍性大腸炎の持病があり、自宅近くのかかりつけ医の紹介で訪れた大学病院で処方された免疫抑制剤「アザニン(アザチオプリン)」を2017年から服用している。

2020年8月、痛風の発作に襲われ、9月7日になって、自宅近くのかかりつけ医から痛風の治療薬「フェブリク」を処方され、同じく近くの調剤薬局で提供をうけた。

2種の薬の服用から約3週間後の10月1日、仕事中に階段をのぼったところ、顔色が白くなり、息切れ、動機、めまいといった貧血の症状があらわれ、同様の症状は、12日には日常生活でも起きるようになったという。 20日、かかりつけの病院で「フェブリクの副作用ではないか」と尋ねたが、医師は否定。

その際の採血の結果、赤血球や白血球が低数値を示したことから、潰瘍性大腸炎の治療で通っている大学病院を受診したところ、「何だこれは。生きている人間のデータじゃないよ」などと指摘され、持参したおくすり手帳から、併用禁忌の疑いが生じたそうだ。

すぐさま両薬の服用を中止し、同日から11月5日まで入院し、重度の貧血治療として、輸血などの措置をとられた。 新城さんの代理人をつとめる石上晴康弁護士によれば、2種の薬の併用は「禁忌」とされ、骨髄をつくる作用が抑制されるという。

新城さんの貧血もこれが原因ではないかとのことだ。 「かかりつけ医も、調剤薬局も、アザニンを飲んでいることを知りながら、併用禁忌のフェブリクを提供してしまった。薬剤の説明書にも併用禁忌であることは書かれており、医療に携わる人にとって常識です」(石上弁護士) そこで、過失によって死亡寸前の重篤な貧血症状を起こしたとして、裁判を起こした。

弁護士ドットコムニュースより引用

内容としては…

  • 潰瘍性大腸炎の患者 大学病院より処方 アザニン(アザチオプリン)
  • 痛風の発作 かかりつけ医より処方 フェブリク(フェブキソスタット)
  • 併用禁忌の2剤を服用して骨髄抑制が起きて重篤な貧血症状が起きた

第106回薬剤師国家試験 問220

アザニンとフェブリクの併用禁忌は、第106回薬剤師国家試験の問220と同じ内容で出題がされていたようですね。

45歳男性。175cm、55kg。過去に痛風発作を経験したことがあったが、その後、症状は現れておらず、治療をしていなかった。最近、職場の健康診断で尿酸値の異常を指摘され、近所のA病院を受診した。受診時の検査で、血清クレアチニン値は0.8mg/dL、血清尿酸値は9.0mg/dL、ASTは15 IU/L、ALTは18 IU/Lであった。
A病院の担当医は、以下の処方で薬物治療を開始することを検討した。

(処方)フェブキソスタット錠10mg
1回1錠 (1日1錠)1日1回 朝食後 14日分

その際、A病院の担当医がお薬手帳を確認したところ、B総合病院消化器内科から、潰瘍性大腸炎に対してプレドニゾロンとアザチオプリンが処方され、服用中であることが判明した。

ちなみにこちらの問題の解答では、フェブキソスタットをベンズブロマロンに変更するというのが正解の選択肢となっております。

フェブリクの併用禁忌は?

骨髄抑制等の副作用を増強する可能性があために併用が禁忌の薬として以下の二つがあります。

  • メルカプトプリン水和物(ロイケリン)
  • アザチオプリン(イムラン、アザニン)

作用機序はアザチオプリンの代謝物である6-MP(6-メルカプトプリン)は、XO(キサンチンオキシダーゼ)で代謝されます。

しかしフェブリクがXOを阻害する事で、6-MPの血中濃度が上昇して核酸合成を阻害して免疫抑制作用が強くなり副作用である骨髄抑制が起きると考えられます。

アザニン・イムランの併用禁忌は?

アザチオプリン製剤にはアザニンイムランの2種類があります。

アザニンの名称由来:成分の一般名(Azathioprine)による
イムランの名称由来:免疫抑制剤であることから、免疫を表わす Immuno- より命名

併用禁忌はキサンチンオキシターゼ阻害薬の2種類

  • フェブキソスタット(フェブリク)
  • トピロキソスタット(トピロリック、ウリアデック)

同じ作用機序であるアロプリノールは併用注意となっていますが、併用する場合にはアザチオプリンを通常投与量の1/3~1/4に減量する必要があります。

よって今回の事件のように痛風等で出された薬がアロプリノールであったとしても、アザチオプリンの減量がされていなければ、疑義照会をする必要があります。

最近、私は老眼で視力も悪くなり記憶力も判断力も鈍くなっているような気がして薬剤師としてやっていく自信が段々となくなっています。せめて人様に迷惑をかけない様に最近テレビコマーシャルでやっていた記憶を維持できるサプリメントメモリービフィズスでも飲んでみようと思います。

長年お勤めの薬剤師さんであれば様々なトラブルを経験していると思いますが、どんな突発的な出来事が起こっても冷静になって様々なトラップを乗り越えて本当に偉いと思います。

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