腹圧性尿失禁にはβ2刺激薬のスピロペント(クレンブテロール)

薬の勉強

気管支拡張薬の薬で、交感神経β2刺激薬はよく使用される事と思います。商品名で言うとブリカニール(テルブタリン)やメプチン(プロカテロール)、ホクナリン(ツロブテロール)などがよく使用されています。

またスピロペント(クレンブテロール)は薬の特徴として、末梢気道に対する持続性の気管支拡張作用そして膀胱の内圧低下作用があります。適応として他の交感神経β2刺激薬と同じように、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫などがあります。しかしこの薬にはもう一つの適応症状として腹圧性尿失禁で処方される事があります。

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腹圧性尿失禁とは?

腹圧性尿失禁とは、妊娠や出産などを経て(肛門挙筋が弱ってしまう原因)ある程度年をとった中高年の女性によく見られる症状で、激しい咳やくしゃみ、重いものを持ち上げたりとお腹にに力が入った時(腹圧がかかった時)に不意に尿が漏れてしまう症状を指します。

もちろん交感神経β2刺激による気管支拡張作用により激しい咳を抑える事で腹圧がかかることを減らして、腹圧性尿失禁を抑える効果も期待されていると思います。大学の薬理のテキストに膀胱に※β3受容体(弛緩作用)はありますが、β2受容体の記載がなかったので、どのように作用するかはわかりませんがスピロペントの薬効薬理の項目8~10には膀胱内圧低下作用、膀胱平滑筋弛緩作用、外尿道括約筋に対する作用が記載されています。

※ベタニス(ミラベクロン)は頻尿や過活動膀胱治療薬で、β3受容体を刺激する事で膀胱を弛緩させて蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善するとされている。

8 .膀胱内圧低下作用
麻酔ラットを用いた膀胱内圧測定試験で、クレンブテロール塩酸塩は静脈内投与により膀胱の内圧低下を示した。
9 .膀胱平滑筋弛緩作用
ウサギの膀胱を用いた試験で、クレンブテロール塩酸塩は膀胱平滑筋の静止張力に対してイソプロテレノールより強い弛緩作用を示した。
10.外尿道括約筋に対する作用
ウサギの尿道周囲に介在する外尿道括約筋を用いた試験で、クレンブテロール塩酸塩は経壁電気刺激による収縮をイソプロテレノールより強く増強することが認められている。

スピロペント添付文書より引用

対処療法である薬物治療以外にも腹圧性尿失禁の起きる原因(腹圧がかかった時に、肛門挙筋が弱っていると尿道がつぶれないため尿が漏れる)から、時間はかかりますが毎日の運動(骨盤底筋訓練法)によって肛門挙筋の筋力トレーニングを行う方法があります。また効果がすぐに出る方法としては尿スリング手術というものがあるようです。

 

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