便秘解消にはコーヒーの含有成分であるカフェインが効いてるの?

役に立つ話

患者さんから「最近コーヒーを買ってよく飲むようになったのですが、それから便秘が解消しました。コーヒーに含まれているカフェインが便秘にいいのでしょうか?」と質問されました。

この患者さんはエンシュアもコーヒー味を希望されるのですが、エンシュアはあまり飲まず豆を買ってきて自分で挽いたコーヒーを淹れて飲むようになったそうです。

今までは便秘に関して浸透圧性の下剤であるマグミットや、刺激性下剤であるヨーデル、アローゼン、ラキソベロンなどを処方により使い分けていましたが便秘症状はあまり改善しませんでした。

ここ数年の間にアミティーザカプセル、リンゼス、グーフィス、モビコール配合内用剤などの新薬が立て続けに発売されました。しかしコーヒーを飲むことで便秘が改善するのであれば、わざわざ高い薬を買うよりも望ましい事かと思われます。

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コーヒーと言えばカフェイン

私は便秘を経験したことはありませんが、確かに朝一でコーヒーを毎日飲んでいます。そして朝にコーヒーを飲むことで便意を催すような気がしていたので調べてみる事にしました。

コーヒーと言えばカフェインが含まれていることが有名ですが、カフェインに便秘を解消する作用があるかどうかは知りませんでした。どうやら下記の論文によるとカフェインが入っていても入っていなくても消化管蠕動は促進されるようなので、カフェイン以外の成分が整腸作用に関与しているみたいです。

消化管蠕動
蠕動は腸管平滑筋が収縮する過程で生じ、腸管内に内容物が存在すると促進される。人によっては、コーヒー摂取で蠕動が促進される。例えば、99人を対象にした研究では、29%の人がコーヒー摂取によって蠕動運動の亢進を示した(Sloots et al., 2005)。1,000 Kcalの食事をした場合と、同一容積の熱いカフェイン含有コーヒーあるいは脱カフェインコーヒー摂取した場合の消化管蠕動が比較された(Pandeya et al., 2011)。カフェイン含有コーヒーの効果は正餐とほぼ同じで、お湯だけの摂取より60%、脱カフェインコーヒーの摂取より23%高かった。また、強いコーヒーや熱いお湯の摂取は、空腸の動きを有意に高めるとの報告がある(Shimamoto etal., 2013)。健康成人でコーヒー摂取が下痢や便秘を引き起こすとの証拠はない。

コーヒー/カフェイン摂取と日常生活-循環器・消化器系機能に及ぼす影響評価-より引用

マンノオリゴ糖とは?

そこでコーヒー豆に含まれるカフェイン以外の成分を調べてみると、抗酸化機能のあるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸、水溶性のビタミン類であるナイアシン、そして整腸作用のあるマンノオリゴ糖(MOS:mannooligosaceharide)が含まれています。

マンノオリゴ糖はコーヒー豆のカスから抽出精製されたオリゴ糖の一種で、マンノースがβ結合した構造により難消化性であり腸内の善玉菌(ビフィズス菌等)に選択的に利用される事で整腸作用をもたらすとされています。逆にクロストリジウム属に属する嫌気性菌(ウェルシュ菌等)には利用されることがないので腸内環境が改善されるそうです。

マンノオリゴ糖について,ヒト腸内フローラ構成菌種による資化性を調べた.重合度にかかわらずマンノオリゴ糖は,Bifidobacterium adolescentisとLactobacillus acidophilus, Lactobacillus gasseriに利用された. 一方腸内有害菌にはほとんど利用されなかった.その結果,マンノオリゴ糖にはヒト腸内フローラの改善作用をもつことが期待できると考えられた.

コーヒーマンナン由来マンノオリゴ糖の腸内細菌資化性より引用

特定保健用食品とは?

さらにマンノオリゴ糖には体脂肪を減少させる効果が認められ、万歳のマークで有名なトクホ(特定保健用食品)としてコーヒー飲料が発売されていました。

※特定保健用食品は、その効果が科学的根拠によって認められ個別に消費者庁長官によって販売の許可がされています。機能性表示食品は、同じく科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品ですが消費者庁への届け出のみで販売されているものになります。

普通のコーヒーより少し高いのであまり売れ行きが良くなかったのかどうかはわかりませんが、既に販売が中止されている商品もありました。まだメーカーさんによっては販売している商品もあるようなのでよろしければ試してみてはいかがでしょうか?

残念ながら私の普段飲んでいるインスタントコーヒーの成分表にはカフェインとポリフェノールとしか記載がありませんでした…。

ここからは私の想像になりますが、この患者さんはインスタントコーヒーでもトクホ製品でもなく自分で買ってきた豆を挽いて飲んでいたのが良かったのかもしれません。

コーヒー豆の挽き方によってはかなり細かく挽く事で成分が抽出されやすくなります、これによって整腸作用に寄与したのではないかと思われます。

MOSはBifidobaceriaなと一部の有用微生物にのみ選択的に利用される難消化性オリゴ糖であり[2.3],MOSあるいは、MOSを配合した粉末飲料をヒトに摂取させた場合に,腸内のビフィズス菌の有意な増加により便通が改善されることを報告してきた[4,5].また最近,著者らは軽度高脂血症者に1日あたり3gのMOSを4週間摂取させることによリ,血中コレステロール濃度やトリグリセライド濃度が低下することを見いだした.

コーヒー豆マンノオリゴ糖を含むコーヒー飲料の長期摂取がヒト体脂肪に及ぼす影響より引用

健康サポート薬局は薬だけでなく、生活習慣や食生活、介護支援など健康に関する事であれば何でもご相談にのる事ができます。おそらく知らない事が沢山ありますが、今後もその都度調べて回答していきたいと思います。

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