施設から「ゲーベンクリームって熱傷に使えないんですか?」と連絡がありました。
いつもは褥瘡に使っているのだが、ちょっとした熱傷に使えるのであれば施設に残っていたゲーベンクリーム使おうと思ったそうです。
ゲーベンクリームの適応症には熱傷があるので使用する事はできそうです。
しかし、ゲーベンクリームの禁忌には軽症熱傷と記載があります。
(1)本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)新生児〔高ビリルビン血症を起こすおそれがある。〕
(3)低出生体重児〔高ビリルビン血症を起こすおそれがある。〕
(4)軽症熱傷(「重要な基本的注意」の項参照)
Q.軽症熱傷が禁忌の理由は?
A.本剤を軽症熱傷に使用すると、疼痛がみられることがあるため、禁忌に設定しています1)。また、本剤は創面感染治療を目的とした外用剤であり、感染性のない熱傷は適応外となります。
<参考>軽症熱傷では重症熱傷とは異なり知覚神経が健在し、熱傷そのものによる疼痛もあります。
田辺三菱製薬 ゲーベンQ&Aより引用
名称由来は?
ゲーベンクリーム(GEBEN cream 1%)の由来を調べてみました。
名称の由来:特になし
ゲーベンはドイツ語っぽいニュアンスなのでgoogle翻訳で調べてみました。
すると「geben」には「与える」という意味があるようです。
しかしゲーベンという名称に「銀」が関係あると思っていたのですが全く関係ありませんでした。
ちなみにアメリカでの販売名は、SILVADENE Cream 1%なので商品名に「銀」感はでています。
効能効果には、「SILVADENE クリーム 1%(スルファジアジン銀)は、第2 度または第3 度の熱傷患者における膿創の予防及び治療として適用される局所抗菌薬である」とあるので熱傷の程度をみて使用する必要がありそうです。
もし熱傷の程度を知覚のありなしで考えるのであれば、浅達性Ⅱ度(SDB)くらいまでは知覚が残っているそうなのでゲーベンクリームは使用しない方が良いかもしれません。
出典:日本創傷外科学会
参考:田辺三菱製薬ゲーベンクリームインタビューフォーム、日本創傷外科学会
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