以前薬局の実務実習に来られてすぐの学生さんに「フルニトラゼパムの高齢者の上限量知ってる?」と聞いた事がありました。
すると学生さんはすぐに「1回1mgです」と即座に回答しました。
その後、様々な高齢者上限のある薬について質問しても全て把握されていました。
私は「すごいなぁ、まだ現場にも出てないのによく覚えているなぁ」と関心しました。
学生さんは「語呂があるのでそれで覚えていました」と素直に教えてくれました。
確かに私も国家試験を受験する直前に、生化学や衛生、法規など様々な科目で語呂に助けられた覚えがあります。
そして6年制薬学部となってから既に6年以上の歳月が経過して、実際に実務実習の現場で必要となる語呂も開発されていた事に驚きました。
ちなみに私が教えてもらった語呂です。
高齢者は(古い)(エッチでいこー)(とりあえずレッツゴー)
(フルニトラゼパム・1) (エチゾラム・1.5) (トリアゾラム・0.25)高齢者:高齢者の制限量
古:フルニトラゼパム
い:1mgまで(1回)エッチ:エチゾラム高齢者
いこー:1.5mgまで(1日)とりあえず:トリアゾラム
レッツゴー:0.25mgまで(1回)成人用量はすべてこの2倍となる。
薬ゴロより引用
薬ゴロさんのサイトには実務で覚えていると便利なゴロもたくさんあるので、これから実務実習に来るであろう学生さんにも教えてあげたいと思います。
しかし学生さんは、日常業務で使う薬以外も幅広く勉強してるであろうから当然知っているような気もしますが‥。
高齢者とは何歳以上か?
一般的に添付文書上でいう高齢者は65歳以上だと言われています。
薬の代謝に関係する肝臓や腎臓の機能が低下し始める年齢を考えて、ほとんどの添付文書上で高齢者の服用に注意事項が記載されています。
しかし代謝機能が年齢とともに低下するとはいえ、65歳と100歳を同列に考える事はできません。
最近では日本老年学会と日本老年医学会により、新たな高齢者の定義として65~74歳を「准高齢者」、75~89歳を「高齢者」と提言がなされています。
腎機能が50歳を超えると10歳刻みで10~20%の機能低下が見られることを勘案して、高齢者がどの年代にあるのかを把握する事が必要となってきます。
そして治験での健常高齢者のデータだけでなく、市販後特別調査のデータや患者本人の基礎疾患の有無なども考慮する必要もあります。
添付文書だけでなく「インタビューフォーム」や「使用上の注意の解説」などの情報も合わせて確認しましょう。
参考文献:添付文書の読み方(じほう)
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