ケナログ販売中止⇒オルテクサー口腔用軟膏におけるヒヤリハット

調剤事故・ヒヤリハット
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ちょうど昨年の年末に、副腎皮質ホルモン剤の口内炎で処方される事の多いブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の「ケナログ」が販売中止となりました。

そして同成分の後発医薬品である、日本ジェネリックの「オルテクサー」が薬局に採用される事になりました。

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オルテクサーの名称の由来は?

インタビューフォームによると名称の由来は、本剤の使用部位有効成分から販売名となったようです。

口腔用(Oral)の副腎皮質剤(Adrenal-Cortex)より命名

オルテクスオルテクサーといった感じでしょうか?

その時は「ケナログが販売中止になるなんて…」と少しショックを受けたのですが、その後に処方される事もなくすっかり忘れてしまっていました。

オルテクサーの処方箋がやってきた

そして先日、ちょうど薬局が閉まる直前に持ち込まれた面の一般名の処方箋にて、沢山の飲み薬や外用薬の中に混じって、「般)トリアムシノロン軟膏0.1% 5g」が処方されていました。

般)トリアムシノロン軟膏0.1% 5g

「あっ、久しぶりにケナログ」

「確か販売中止になったから、えーっとジェネリックの名前なんやったかなぁ…」

調剤棚を眺めながら「そうそう、オルテクサー軟膏」と思い無事にカゴに準備をする事ができました。

そして服薬指導をする事になりました。

私「今日は軟膏も出てますが、どうされましたか?」

ケナログもといオルテクサー軟膏の効能効果は「慢性剥離性歯肉炎、びらん又は潰瘍を伴う難治性口内炎及び舌炎」なのでほぼ「口内炎」という答えが返ってくる筈ですが、念のために確認しました。

すると、意に反して患者さんは「熱いお茶をこぼして火傷したんです‥」との回答でした。

そこでようやく「オルテクサーじゃない」と気が付きました。

処方されていたのは「レダコート軟膏0.1%」だったのです。

ケナログもといオルテクサー軟膏の一般名処方であれば下記のように口腔用軟膏と記載がある筈です。

般)トリアムシノロン口腔用軟膏0.1% 5g

今回は処方箋に使用部位も書かれていなかったので、完全にトリアムシノロンの文字を見ただけで頭の中でケナログもといオルテクサーと変換してしまっていたのです。

販売中止になった事に気をとられて間違えないように、今後は気をつけたいと思います。

オルテクサーとレダコートの違いは?

有効成分を比較すると、どちらも0.1%なのでトリアムシノロンアセトニドを同じ含量含んでいます。

両者の異なる部分は添加物となります。

オルテクサー口腔用軟膏0.1% 100g中有効成分

日局トリアムシノロンアセトニド 100mg

添加物:ゲル化炭化水素、カルメロースナトリウム、サッカリンナトリウム水和物、香料

レダコート軟膏0.1% 1g中成分・含量

「日本薬局方」トリアムシノロンアセトニド 1mg

添加物:白色ワセリン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、精製ラノリン

基材についてですが、オルテクサー口腔用軟膏は刺激を抑える為にワセリンでなくゲル化炭化水素を使用しています。

ゲル炭化水素の特徴として、伸びが良く口内炎の部位などの患部にしっかりと留まり皮膚を保護します。さらに炎症などを起こしている患部に対して刺激が少ないとされているので、刺激に敏感な口腔内での使用感が良いと言われています。

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