ツムラ68【芍薬甘草湯エキス顆粒】食道アカラシアへの処方意図は?

薬の勉強

ツムラ68番である、芍薬甘草湯エキス顆粒が処方された患者さんがいたので「こむら返りですか?」といつもの如く聞いたところ、患者さんからは「食道アカラシアと言われました」との回答でした。

食道アカラシア芍薬甘草湯ですか‥?

私はこの使用方法を知らなかったので調べる事にしました。

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食道アカラシアとは?

食道アカラシアとは、一言で言うと嚥下障害と胸痛が出現する疾患です。

原因としては嚥下時に、下部食道括約筋の弛緩障害が起こっています。

年間で約10万人に1人に発症すると言われています。

治療の標準療法は、バルーン拡張術、腹腔鏡手術療法、POEM(経口内視鏡的筋層切開術:Per-Oral Endoscopic Myotomy)があげられます。

他に薬物療法やボツリヌス毒素局所注入療法があります。

薬物治療について

食道平滑筋を緩める為に、アダラートカプセル等のカルシウム拮抗薬や、ニトロール錠等の亜硝酸薬を食前の30分前服用といった処方が考えられますが効果は限定的です。

さらに耐性が生じやすい、頭痛や低血圧の副作用もあり、保険適用がありません。

そして食道アカラシアの患者さんはそれほど多くない為、通常は専門医に紹介されることが多く薬局でこれらの処方を見る事は少ないかもしれません。

食道アカラシアに芍薬甘草湯の処方

効能効果と用法用量

急激におこる筋肉のけいれんを伴う痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

芍薬甘草湯には、横紋筋への作用からこむら返りに効果があるとされています。

同じように消化管の蠕動抑制など平滑筋の抑制作用が報告されている事から、アカラシア等の食道運動障害による胸痛や嚥下困難に有用であったとの症例報告があります。

今回の様に食道アカラシアといった疾病名から、治療方法を探す場合に今日の治療指針「私はこうして治療している」を索引から調べると簡単ですのでお薦めいたします。

薬効薬理

1.抗アロディニア作用
パクリタキセル誘発有痛性末梢神経障害マウスに誘発前日から6日間経口投与したところ、アロディニアの発生が抑制された2)

2. *作用機序
本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。

(1) ノルアドレナリン神経系活性化作用
脊髄内α2-アドレノセプターの機能が亢進した糖尿病マウスにおいて、脊髄の下行性ノルアドレナリン神経系を活性化した3)

(2) 子宮筋収縮抑制作用
・プロスタグランジン(PG)F誘発ラット子宮筋収縮を抑制した(in vitro4)。・cytosolic phospholipase A2(cPLA2)活性を抑制することで、ヒト子宮筋培養細胞のPGE2、PGF、6-ketoPGFの産生を抑制した(in vitro5)

アロディニア(allodynia,異痛症)とは,通常では痛みとして認識しない程度の接触や軽微な圧迫,寒冷などの非侵害性刺激が,痛みとして認識されてしまう感覚異常のことである.

アロディニアは,末梢神経損傷,帯状疱疹,糖尿病性神経障害,抗がん剤による副作用などによる神経障害性疼痛で見られる.

機械的アロディニアでは,衣服による摩擦などの日常的な刺激ですら痛みと感じてしまうため,生活の質が大きく毀損される.

アロディニアの治療に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は無効で,プレガバリンやガバペンチンが利用されるが,より安価で「鎮痛」の効能を持つブシが利用できるならば,医療経済学的に有用であろう.

引用:JーSTAGE

参考文献:今日の治療指針「私はこうして治療している」、日消誌 2010;107:1592―1603消化管運動と漢方

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