今日は同僚の皆さんが、在宅患者さんのお宅へお薬の配達に行っていたので、薬局の奥の小部屋で一人黙々と監査を続けていました。ちょうど門前医院の午前診が終わっていたので、受付は事務さんに任せて集中して業務に取り組んでいました。
通常この時間帯に患者さんがくる事はあまりないのですが、「ヴィーン」と自動扉の開く音が聞こえました。もしも処方箋がない患者さんであれば事務さんが対応してくださるので、私は安心して業務を続ける事が出来ます。しかし何やらやり取りしている声が聞こえた後に、お呼びがかかりました。
受付には異国の男性が‥
「面の処方箋が来たのかな?」と思って受付に出ると、異国の言葉を話すおじいさんが何かを訴えていました。
うちの薬局の近くには高級ブランド品の免税店があるので、海外からの観光客が団体でバスツアーとしてよくやって来ます。そして免税店に興味のない、待ち時間を持て余した男性観光客がたまに薬局にやってくるのです。
免税店には4カ国や5カ国の言語を操るスタッフさんが常駐しているのですが、この薬局にいるのは1カ国語のみ対応の私だけです。
残念ながら英語の堪能なスタッフは不在です。仕方がないので、カタコト英語でコミュニケーションを試みてみました。普通であれば旅行者は英語が堪能もしくは、お互いカタコト英語で意思の疎通ができます。
しかし今回のおじいさんは異国の言葉を早口で訴え続けていました。恐らく中国語の様な気がしたので、通じてはいないであろう英語で「ジャストモーメントプリーズ」と言い残して、スマホを取りに控え室に戻りました。
スマホのGoogle翻訳で対応してみました
そしてスマホの翻訳アプリに「このマイクに向かって話して下さい」と中国語に翻訳した画面「对着这个话筒说话」を見せました。
すると即座に早口の中国語でまくしたてたので、スマホの音声認識が反応しませんでした。改めて「はい!と言ったらこのマイクに向かって話して下さい」と、中国語に翻訳した画面「是的!如果你说,请与这个麦克风交谈」を見せました。
そして私は「はいっ!」と言ってからマイクのボタンを押しました。
「ピロリン!」と音声認識開始音がなりました。
しかしおじいさんは無反応です。何度かこのやり取りを繰り返しても一向に進展がありませんでした。二人の距離は全く縮まりません…
30分くらいそのやり取りを繰り返していると、英語堪能スタッフが戻ってきたのでバトンタッチしました。しかし案の定、英語はまったく通じず達人もお手上げでした。結局おじいさんはあきらめて、あきれた顔で薬局から出て行ってしまいました。
私は言いようのない無力感を感じました。次回あのおじいさんがこられた時には「何とかできないものか?」とインターネットで調べました。
すると日経DIの広告でよく見るアポプラスさんのサイトに「薬局で使える初回アンケート」が英語・中国語・韓国語に対応しているフローチャートが見つかりました。
次回はこれでおじいさんに対応してみたいと思います。
孔子先生の教え「止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばよい」
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