ラミクタール(ラモトリギン)を何気なく投薬すると危険

薬の勉強
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ラミクタール(ラモトリギン)は何の薬?

ラミクタールはてんかんや双極性障害に使用されるお薬になります。効能により服用方法が複雑に分かれているため下記画像の様なスターターパックも発売されています。

グラクソスミスクラインHPより引用

【効能・効果】として添付文書には下記のように記載されています。

○てんかん患者の下記発作に対する単剤療法

  • 部分発作(二次性全般化発作を含む)
  • 強直間代発作
  • 定型欠神発作

○他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法

  • 部分発作(二次性全般化発作を含む)
  • 強直間代発作
  • Lennox-Gastaut症候群における全般発作

○双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制

ラミクタール(ラモトリギン)は、平成27年度にブルーレター(安全性速報)が出ていたり、添付文書には警告の記載、服用方法が効能によって複雑に分かれています。

薬剤師の皆さんには危険度が非常に高い薬として認識されているかと思います。また医薬品副作用救済制度では、請求が否認されている事が多い薬でもあります。

医薬品副作用救済制度とは?

「医薬品副作用被害救済制度」とは医薬品が適正に使用されたにもかかわらず、副作用が発生し健康被害を受けた場合に患者さんを救済するための制度です。

一般の患者さんでは副作用による健康被害が発生していても、制度自体を知らないため自己負担による治療を余儀なくされる場合があります。

しかしこの制度を利用するためには適正な使用という前提条件があります。これにより例年、請求したにもかかわらず支給が認められない件数が1~2割あります。

内訳として多いものは「医薬品で発生したと認められない」が多く、続いて「使用方法、目的が適正でない」があげられています。

ラミクタールで不支給が大多数を占めている理由

「承認された用法・用量を遵守していない」事例が数多く報告されていますが、ラミクタール(ラモトリギン)に関する不適正使用については下記のパターンが多く見受けられるようです。

①初期用量と増量時に注意

初期用量が過量であったり、増量の間隔に注意してください。

これについては患者さんへの聞き取り、初回の用量、増量時の間隔をしっかりとチェックして、もしも異なれば必ず疑義紹介をして記録として残しておくしかありません。

てんかん患者でも「単剤療法と併用療法」によって異なります。

※グルクロン酸抱合(ラミクタールはグルクロン酸転移酵素で代謝される)を誘導する薬剤を併用する場合でも異なります。

※グルクロン酸抱合を誘導する薬剤6つ

  • フェニトイン
  • カルバマゼピン
  • フェノバルビタール
  • プリミドン
  • リファンピシン
  • ロピナビル・リトナビル配合剤

双極性障害であっても異なりますので、可能な限り毎回患者さんに確認して用法の変更があったときには十分に注意してください。

<用法・用量を遵守してください。用法・用量を超えて本剤を投与した場合に皮膚障害の発現率が高くなります。

● 投与開始時は定められた用法・用量を超えないこと
● バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2 週間までは隔日投与にすること(成人のみ)
● 維持用量までの漸増時も定められた用法・用量を超えないこと
● 増量時期を早めないこと皮膚障害の早期発見,早期治療に努めてください。
● 発疹に加え以下に示す症状があらわれた場合には,重篤な皮膚障害に至ることがあるので,直ちに本剤の投与を中止すること

○発熱(38℃以上)        ○眼充血
○口唇・口腔粘膜のびらん    ○咽頭痛
○全身倦怠感          ○リンパ節腫脹    等

● 処置が遅れると重篤な転帰をたどることがあるので,早い段階で,皮膚科専門医に相談し,適切な処置を行うこと
● 患者又は家族に対して,発疹や上記の症状があらわれた場合には直ちに受診し,医師・薬剤師に本剤を服用している旨を伝えるよう指導すること

平成27年2月 安全性速報「ラミクタール錠による重篤な皮膚障害について」より引用


② 双極性障害にバルプロ酸ナトリウム併用下で用いた場合の否認事例

(事例)バルプロ酸ナトリウム併用下において,ラモトリギン(ラミクタール錠)を服用し,不適正使用により不支給となった事例ラミクタール錠を1日25mgで隔日に経口投与し,本来14日目は休薬のところ,14日目も服用し,結果的に13日目からの連日投与となり,薬剤性過敏症症候群を生じた。

ラミクタール(ラモトリギン)を双極性障害に用いる場合で、バルプロ酸ナトリウムを併用する場合には通常成人にはラモトリギンとして以下の用量を経口投与します。

最初の2週間1回25mgを隔日に経口投与

次の2週間1日25mgを1日1回経口投与

ラミクタール

医薬品等副作用被害救済制度の概要と医薬品の使用が適正と認められない事例より引用

つまり2週間経過前に受診して、薬局に薬を取りに来た患者さんに「今回から毎日服用になっています」と服薬指導して、14日目のから服用してしまった場合、副作用が出ても否認されてしまうのです。

画像のカレンダーでは日曜日になっていますが、平日だと服薬指導して帰宅後すぐに服用してしまう可能性も十分ありえるかと思われます。

よって投薬時に初回の服薬状況をきっちりと確認して隔日投与で2週間を飲みきってから1日1回に切り替えるように注意しなければなりません。

かなり細かい服薬指導が必要になりますが、ラミクタールに関しては注意しすぎたとしてもしすぎる事はないかと思われます。

グラクソスミスクライン社のサイトにはPDFファイルにて投与方法のフローチャートがあるのでダウンロードして毎回見直せるように貼っておくと便利です。

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