ここ最近の中国人観光客が買いに来る医薬品(フェブリクやウロカルン)

役に立つ話
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最近よく薬局にやってくる中国人観光客の方々が、スマホの写真を見せて購入しようとする医療用医薬品は何が多いと思いますか?

もちろん時期や地域によって異なる事もあるかと思いますが、最近私が対応した観光客の人は高確率でフェブリクを処方箋なしで購入したいと薬局に入ってこられます。

ザイロリックでもトピロリック、ウリアデックでもなく何故かフェブリクです。

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フェブリク(フェブキソスタット)とは?

フェブリクはザイロリックと同じく、キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬です。尿酸の生合成に関係する酵素を阻害することで血液中の尿酸値と尿中尿酸値を低下させる薬です。

インタビューフォームによるとフェブリクの名称の由来は一般名「febuxostat」、尿酸「uric acid」から命名されたそうです。ストレートな命名でとても覚えやすいですね。

昔からあるザイロリックと違うところは、化学構造にプリン骨格がないので他の核酸代謝に影響を及ぼさないとされています。(選択的キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬と呼ばれている)

服用回数も1日1回の服用(他は1日2~3回)ですみ、肝臓でも代謝排泄されるので、腎障害の患者さんでも使いやすい事が言われています。(排泄部位及び経路は尿及び糞との記載有)

インタビューフォームでもアロプリノールとの比較に徹しています。

フェブキソスタットはXOの作用を阻害することにより、尿酸産生を抑制し血中及び尿中尿酸値を低下させる。類薬であるアロプリノールはXOの基質であるキサンチンと類似の分子構造を有するのに対して、フェブキソスタットはキサンチンと異なる分子構造(非プリン骨格)を有し、XO以外の他の核酸代謝酵素を阻害せず、XOに選択的な阻害活性を示す。

フェブキソスタットはXOの基質結合部位のチャネル内に、空間を埋めるようにしてXOと強固に結合する、いわゆる酵素蛋白の活性中心の構造に基づく阻害剤であることが報告されている22)。したがって、フェブキソスタットはXOの酸化・還元状態に依存せず、酸化型及び還元型XOのどちらにも結合し、阻害作用を示す。

インタビューフォームより引用

しかし最近、痛風患者に対するフェブキソスタットとアロプリノールの心血管安全性の比較について見たところ、あまり良くはない印象を受けました。

痛風と重大な心血管系の併存疾患を有する患者において,フェブキソスタットは,心血管系有害事象の発現率に関してアロプリノールに対し非劣性を示した.全死因死亡率と心血管死亡率は,フェブキソスタット群のほうがアロプリノール群よりも高かった.(Takeda Development Center Americas 社から研究助成を受けた.CARES 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01101035)

NEJMサイトより引用

他にはウロカルン錠を購入したいという方もいらっしゃいました。

ウロカルン錠225mgとは?

インタビューフォームによると、ウロカルンの名称の由来はUro(尿の)とcalculus(結石)に由来します。

よって効能効果は腎結石、尿管結石の排出促進です。

用法用量は通常1回2錠、1日3回経口投与します。(年齢、症状により適宜増減)

ちなみに有効率は腎結石 (20.9%) 尿管結石 (72.9%)ですので、腎臓での結石だとウロカルンだけでは難しそうです。 

ウラジロガシの小枝付葉の抽出エキスを主成分としています。今までウラジロガシと聞いてもあまりピンと来なかったのですが、漢字で(裏白樫)と書くとイメージがわきます。

画像はイメージです

どんぐりの取れるカシ(樫)の木で、葉の裏が白色であるブナ科の広葉樹の小枝付葉の抽出エキスだとわかると急に親近感がわきました。きっと樫の木モックのおかげでしょうか?

ウラジロガシエキスは、昔から民間薬として尿路結石症の治療に使用されており、薬理学的には結石形成抑制作用、利尿作用、消炎作用が知られていました。

薬局などでもお茶にするための乾燥した葉が販売されているので、自分で葉を煮詰めてウラジロガシ茶を作ることができます。

きっと日本に観光に来るお金持ちの中国人旅行者はご馳走を沢山食べているから、痛風や結石に悩まされているのかな?なんて想像しながら対応しています。

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