新型コロナ患者への0410対応の日々「コデインリン酸塩は散1%で…」

基礎的医薬品 役に立つ話
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令和3年4月25日から5月11日まで大阪府全域で緊急事態措置が発令され、毎日の様にニュース速報で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数が増え続けています。

当然ですがコロナ対応している病院から近隣コロナ療養施設へ移っている患者数も増え続けていたのですが、なぜかここのところ0410対応の患者さんが頭打ちになっているように感じていました。

おそらく、近隣のコロナ対応の療養施設が満床になっている事が想像されます。

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電話や情報通信機器を用いた服薬指導

昨年から始まった処方箋の備考欄に0410対応と記載のあるコロナ患者さんに対する時限的措置として「電話や情報通信機器を用いた服薬指導」が認められたので、当薬局でも電話による服薬指導を日々行っています。

電話で行う服薬指導に対する患者さんの反応は様々ですが、比較的軽症の方や快方に向かっている患者さんのほとんどは好意的に問診や服薬指導を受けて下さっています。

長期療養している方に追加処方が出た時に改めて電話すると「この間の薬すごく効いたわ、薬剤師さんありがとうね」と感謝される事もありました。

稀ですが、きっと本当にしんどいのでしょう「ちょっとほんまにしんどいから、指導箋見たらわかるし説明いいいわ…」と言って電話を切られてしまう事もあります。

こういったときに相手が見えないので電話での服薬指導に難しさを感じる事もあります。

咳止めと解熱鎮痛剤の処方箋

様々な病院から新型コロナウイルス感染症患者への処方箋が流れてきますが、ほとんどは対処療法の咳止めと解熱鎮痛剤の処方箋になります。

病院によって使用される咳止めと解熱鎮痛剤は様々ですが、メジコン(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)とカロナール(アセトアミノフェン)の処方箋が多めです。

インフルエンザや水痘などのウイルス感染症でのNSAIDs使用時の脳炎やライ症候群等リスクの例もあるので、高熱時にご自身の判断で解熱鎮痛剤を服用される場合はアセトアミノフェン製剤を推奨いたします。

カロナールは市販薬でもアセトアミノフェン、タイレノールという商品名で販売されています。

昨年コロナウイルス感染症が騒がれ出した頃にフランスの大臣が「コロナに感染したらイブプロフェン等(NSAIDs)を勝手に飲まないでください」との発言があった事も多少なりとも関係しているのか近隣の病院からの処方箋ではカロナール高用量が多いように感じます。

参照:HUFFPOST

ちなみに新型コロナ患者のNSAIDs使用のリスクに関する確実なエビデンスは現時点ではなく世界保健機構からは「必要時にはNSAIDsの使用は控えるべきでない」との推奨もあるためNSAIDsの処方箋も見かけます。

リンコデは非麻薬のコデインリン酸塩(散1%)

咳止めは主にメジコン(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)ですが、咳がひどい時には鎮痛作用も兼ね備えたコデインリン酸塩散1%が処方される事があります。

効能効果
  • 疼痛時の鎮痛
  • 激しい下痢症状の改善
  • 呼吸器疾患の鎮咳・鎮静

用法用量

通常であれば成人は、コデインリン酸塩水和物 1回20mg、1日60mgを経口投与します。

非麻薬製剤であるコデインリン酸塩散1%(※コデインリン酸塩錠20mgは麻薬製剤の為)であれば以下の様に(又はコデインリン酸塩錠5mgを4錠)処方されます。

コデインリン酸塩散1% 6g 1日3回 毎食後 7日分

(※診療録等で基礎疾患の情報が把握できない場合は処方日数は7日間が上限

医療機関では0410対応において、初診患者に麻薬と向精神薬は処方できませんので(再診で処方歴あれば可能)コデインリン酸塩酸は非麻薬である家庭麻薬を使用する必要があります。

※麻薬及び向精神薬取締法等において、濃度1%以下のコデイン、ジヒドロコデインは法律上の麻薬ではないとされています。

国試対策ゴロ:家庭にコデインいっぱいか!(家庭麻薬・コデイン・1%以下)

非麻薬(家庭麻薬)

  • コデインリン酸塩散1%
  • コデインリン酸塩錠5mg

麻薬(初診0410対応においては使用不可)

  • コデインリン酸塩錠20mg
  • コデインリン酸塩散10%
  • コデインリン酸塩水和物原末

もしも0410対応の処方箋を受け取って麻薬扱いであるコデインリン酸塩製剤が処方されている場合であれば疑義照会を忘れずにしましょう。

仮に麻薬扱いの薬剤であれば処方箋に麻薬施用者の免許証番号や患者住所の記載も必要となってくるので注意が必要です。

そしてコデインリン酸塩には禁忌項目も多いので注意しましょう

禁忌(次の患者には投与しないこと)
  • 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する]
  • 12歳未満の小児
  • 扁桃摘除術後又はアデノイド切除術後の鎮痛目的で使用する18歳未満の患者[重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある]
  • 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる]
  • 重篤な肝機能障害のある患者
  • 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する]
  • 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる]
  • 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する]
  • アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
  • 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある]
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