2年前の鳥取県立中央病院で薬の取り違い事故があり、このほど患者家族さんとの和解協議がまとまったようです。医療の現場では、ほんの少しの勘違いやミスが大事故につながってしまいます。
しかしどんなに優秀な人でも体調の優れない時や、集中力の切れる瞬間、思い違いをする場合があると思います。
鳥取県立中央病院(鳥取市)で2年前、20代の女性看護師が兵庫県新温泉町の90代の女性入院患者=昨年1月に敗血症で死亡=に投与する薬を取り違えていたことが28日わかった。誤った薬の投与で血圧が低下し、運動機能が衰えたとして損害賠償を求めていた患者家族との和解協議がこのほどまとまり、県が発表した。
県によると、看護師は2017年8月11日、患者に対し、同部屋に入院している別の患者の内服薬を誤って渡した。患者本人に名乗ってもらい、薬の袋に書かれた氏名と確認するマニュアルの手順を守っていなかった。約15分後に別の患者に薬を投与しようとして誤りに気づいたという。
患者は同年7月、骨折後の食欲不振で入院。誤って服用した薬には血圧を低下させる薬が本来より余分に含まれており、最高血圧は70台まで低下した。正常な血圧に回復するまでの1週間、寝たきりの状態が続いたという。
患者家族は、この間運動ができず、筋肉が衰えるなど全身の運動機能が低下したと主張。県は「完全に否定するのは困難」としてこの主張を認め、入院費を含む損害賠償金約300万円を支払うことで裁判外での和解協議がまとまった。
この日、県庁で記者会見を開いた池口正英院長らは謝罪した上で再発防止のためマニュアルの順守を徹底すると説明。薬の誤投与と死亡との直接的な因果関係については否定した。
朝日新聞デジタルより引用
身近な降圧剤であっても高齢者にとって急激な血圧の低下は生死に関わるため、調剤薬局と言えども在宅施設への薬などは、相当注意が必要な事が理解できるかと思います。
一人薬剤師の現場では難しいかもしれませんが、できる限り複数の人間でチェックをして間違いのないようにしなければいけません。
病院で働いている薬剤師さんや医療従事者の方々は、本当に大変な緊張感のもとで働いている事が伺い知れます。
こういったニュースを見るたびに、今までの調剤ミスが大事故につながらなかったのが奇跡でしかないと感じられずにはいられません。
誰しもミスをした事があるかと思いますが、自分自身一層気を引き締めて職務に当たりたいと思います。
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