先日の投薬中に「妊活中なんですが、今日出ている薬で気をつける薬はありますか?」と男性の患者さんに質問されました。
あきらかに問題ない薬ばかりだったので「大丈夫です」とお伝えしましたが、確実に禁忌なものが何なのか調べてみました。
まず人の精子形成にかかる期間は74日~120日前後で、実際に受精するまでの期間を含めると約3ヶ月~6ヶ月くらいです。
つまり、3ヶ月~6ヶ月前までに投与された薬の影響を受けている可能性が高いと考えられています。
精子への影響を考えた場合は、男性が服用する薬で催奇形性を心配する薬はほとんどないと考えられます。
抗がん剤や抗リウマチ薬、抗ウイルス薬等については一部気をつける必要があります。
また性欲減退、勃起不全が起きる事で男性不妊症になる可能性のある薬剤として、抗精神薬や睡眠薬も考慮する必要があります。
・抗悪性腫瘍薬(アムノレイク、トリセノックス、フルダラ等)
・抗悪性腫瘍薬(サレド:般)サリドマイド)
・抗不整脈薬(アンカロン:般)アミオダロン)
・抗リウマチ薬(リウマトレックス:般)メトトレキサート)
・抗リウマチ薬(アラバ:般)レフルノミド)
・免疫抑制薬(ネオーラル:般)シクロスポリン)
・角化症治療薬(チガソン:般)エトレチナート)
・C型肝炎治療薬(コペガス:般)リバビリン)
・抗サイトメガロウイルス薬(デノシン、バリキサ)
・末梢性禁弛緩薬(ボトックス:般)A型ボツリヌス毒素)
・痛風発作治療薬(コルヒチン)
・H2受容体拮抗薬(タガメット:般)シメチジン)
抗悪性腫瘍薬や免疫に関係する薬は想像し易いのですが、H2ブロッカーの様なメジャーな薬であるタガメットはなぜダメなのでしょうか?
インタビューフォームによると、性欲減退が2件(0.02%)あるとの事です‥。
薬品名を全て覚えておく事が難しい場合はどういった病態に対して使用する薬であるかを覚えておくだけでも良いかと思います。
怪しいと思ったときにその都度添付文書で確認すれば問題ないかと思います。
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