ロゼレム錠が1錠から0.5錠に減った理由は睡眠相の前進作用

ロゼレム 薬の勉強

患者さんより「この薬(ロゼレム錠)の効果があまりなかったのに、今回から半分に減ったのは何故ですか?」と質問がありました。

メラトニン受容体に働くロゼレム錠:ラメルテオンの作用には主に睡眠作用と、概日リズムを調整する体内時計への働きがあります。

今回の様に低用量で処方された場合には、睡眠相後退症候群に対する睡眠相の前進作用を目的としている場合があります。

スポンサーリンク

メラトニンとは?

メラトニンは体内時計の調節に働き睡眠を誘導する事から睡眠ホルモンとも呼ばれています。

メラトニンはアメリカではサプリメントとしても販売されています。

残念ながら日本のドラッグストアでメラトニンのサプリメントは販売されていません。

しかし睡眠の質を向上させる機能性表示食品である味の素のグリナ(アミノ酸のグリシンが主成分)は、足の表面体温を上昇させ熱放散を高めて深部体温を下げる効果により睡眠の質を向上させるそうです。

本品には“グリシン”が含まれており、すみやかに深睡眠をもたらし、睡眠の質の向上(熟眠感の改善、睡眠リズムの改善)や、起床時の爽快感のあるよい目覚め、日中の眠気の改善、疲労感の軽減、作業効率の向上に役立つ機能があります。

医療用医薬品としてはメラトニン受容体作動性入眠改善剤のメラトベル顆粒小児用0.2%として、2020年6月23日に医療用医薬品として発売されています。

メラトニン受容体に働くホルモンであるメラトニンは、朝日を浴びてからおよそ15時間後に脳の松果体から分泌されます。そしてメラトニンが受容体に働くことで深部体温が低下すると、人間の体は眠気を感じるようになります。

しかし夜中に明るい照明やブルーライトを浴びる事でメラトニンの分泌が抑えられると体内時計が乱れる原因となります。またメラトニンは加齢によっても分泌量が減少する事がわかっています、よって年を取る事で睡眠が浅くなり不眠を訴える事が多くなります。

ロゼレム錠(ラメルテオン)の作用機序

ロゼレム錠(ラメルテオン)は、メラトニン受容体作動薬に分類され通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与します。

メラトニン受容体にはMT1とMT2とMT3の3種類がありますが、ラメルテオンは主に睡眠に関与するMT1とMT2受容体に対する選択的アゴニストでMT3受容体には親和性がありません。

通常用量ではMT1受容体に対する(催眠作用)を目的として使用されます。一方で低用量の場合はMT2受容体(睡眠相前進作用)に対する作用を目的としています。

作用部位・作用機序
ラメルテオンは、メラトニンMT1 及びMT2 受容体に対する高い親和性を有するメラトニン受容体アゴニストであり、ヒト型メラトニンMT1 及びMT2 受容体に対する親和性(Ki値)はそれぞれ14.0pmol/L 及び112pmol/L、フォルスコリン誘発cAMP 生成反応を指標にしたアゴニスト活性のIC50 値はそれぞれ21.2pmol/L 及び53.4pmol/L である。

インタビューフォームより引用

よって今回の場合は通常用量での催眠作用を目的に使用したがあまり効果がなかった為、適応外の用量である半錠による睡眠相前進作用を期待して半錠に減量したと考えられます。

 MT1 受容体は、視交叉上核で高い発現を示し、メラトニンは視交叉上核の神経発火を抑制するが、この作用はMT1 受容体を介することがMT1 受容体欠損マウスを使った研究から明らかになった(9)。一方、マウスの視交叉上核スライスにおける神経発火に対するメラトニンの位相前進効果は、MT1 受容体欠損マウスでは阻害されることはなく、MT2 受容体アンタゴニストで拮抗されることから、メラトニンの位相前進作用はMT2 受容体を介するものと考えられる(10,11)。MT3 結合部位は、MT1 やMT2 受容体のピコモルオーダーの高親和性受容体とは異なり、ナノモルオーダーの低親和性の結合部位であり、メラトニンの睡眠覚醒リズムに対する作用には関与しない(12,13)。

不眠症治療薬とQOL: MT1/MT2 受容体作動薬ラメルテオンの研究開発より引用

服用時間に注意が必要

ロゼレム錠は通常の催眠作用を期待した場合、原則として服用時間は就寝直前となっています。

しかし低用量でMT2受容体(睡眠相前進作用)に対する作用を目的とした場合には、普段の入眠時間とメラトニンの分泌開始時刻(DLMO:dim-light melatonin onset)を服用時間の目安とし、大抵は平均入眠時刻の数時間前に設定している事が多いようです。

服用する時間によっては睡眠相が前進する時間帯と、逆に睡眠相が後退してしまう時間帯がある為に服用する時間は医師と相談して決定する必要があります。

参考:睡眠リズムの調整にメラトニン・ラメルテオンを使いこなす高齢者の転倒防止を念頭に置いた睡眠薬ラメルテオンとスボレキサントの使用法は?

コメント

error: Content is protected !!