動物実験で幼若動物に関節異常が認められたことから、多くのキノロン系抗菌薬は小児 (15歳未満)への投与が禁忌となっています。
しかし小児にも使用可能なニューキノロン系の薬に、抗菌薬オゼックス(OZEX)があります。
オゼックス(トスフロキサシントシル酸塩水和物)は特性としてペニシリン系やマクロライドに耐性を示す肺炎球菌、インフルエンザ菌などの呼吸器病原菌に強い活性を示します。
タクロリムス(筑波山の土壌細菌(ストレプトマイセス・ツクバエンシス)より分離)のように、尾瀬国立公園の土壌細菌から分離されたのかと思っていたのですが、インタビューフォームによると名前の由来は「特になし」だそうです。
そのオゼックス細粒小児用15%ですが、2017年の4月に医薬情報おまとめ便サービスで小児のマイコプラズマ肺炎にも処方できるようになったとの連絡があったので記憶に新しいところです。
適応菌種の欄をみると確かに肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)の記載がありました。
適応症は肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽です。
小児患者の年齢区分の目安
低出生体重児 出生体重2500g未満
新生児 出生後4週間未満
乳児 1歳未満
幼児 7歳未満
小児 15歳未満
用法用量は通常小児に対してはトスフロキサシントシル酸塩水和物として、1回6mg/kgを1日2回経口投与する。
ただし1回180mg、1日360mgを超えないこととするとあるので30kg以上の子供さんは同じ容量(1回1.2g(180mg)、1日2.4g(360mg))が上限という事になります。
ですので、だいたい9歳以上の小児は2.4g/日でしょうか。