お薬手帳の併用薬に「プレジコビックス配合錠」が出ていたので禁忌薬の確認を致しました。
プレジコビックスは、ヤンセンファーマ株式会社から発売されている抗HIV薬で「DRV:ダルナビル/COBI:コビシスタット」の配合錠になります。
プロテアーゼ阻害薬の一種で、ウイルス由来のプロテアーゼを阻害してウイルス産生を抑制します。
適応症として以下のHIV感染患者に使用されます。
- 抗HIV薬の治療経験がない成人患者
- ダルナビル耐性関連変異を持たない抗HIV薬既治療成人患者
※小児HIV感染症には有効性及び安全性が確立していない。
用法用量:1回1錠 1日1回 食事中 or 食直後
必ず他の抗HIV薬と併用する事となっています、今回は併用薬にヌクレオシド/ヌクレオチド系
抗HIV薬の選び方については、治療ガイドラインを参照(2019年3月)
プレジコビックスの名称由来
PREZISTA(プリジスタ)+ COBICISTAT(コビシスタット)のミックスからプレジコビックスとの事です。
プリジスタ(DRV:ダルナビルエタノール付加物)は、HIVのプロテアーゼ阻害剤
コビシスタット(COBI)は増強因子剤で単剤としては日本では未承認ですが、欧州では「Rezolsta」そして米国で「Prezcobix」として承認されています。
プレジコビックスの併用禁忌は?
抗ウイルス薬は併用禁忌、併用注意が数多くありますので、その都度確認する事にしています。
併用禁忌については、添付文書より以下の薬剤が記載されています。
- リファンピシン(リファジン)
- フェノバルビタール(フェノバール)
- フェニトイン(アレビアチン/ヒダントール)
- ホスフェニトイン(ホストイン)
- カルバマゼピン(テグレトール)
- トリアゾラム(ハルシオン)
- ミダゾラム(ドルミカム注射液)
- ピモジド(オーラップ)
- シンバスタチン(リポバス)
- エルゴタミン(クリアミン)
- ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット)
- エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン
- バルデナフィル(レビトラ)
- シルデナフィル(レバチオ)
- タダラフィル(アドシルカ)
- ブロナンセリン(ロナセン)
- アゼルニジピン(レザルタス、カルブロック)
- アスナプレビル(スンベプラ)
- ロミタピド(ジャクスタピッド)
- グラゾプレビル(グラジナ)
- リバーロキサバン(イグザレルト)
- チカグレロル(ブリリンタ)
- セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)含有食品
- 腎機能、肝機能障害の患者においては、コルヒチン投与中患者
※バニプレビルは 2017 年 12 月現在製造販売が中止
使用頻度の高い薬(ハルシオン、※カルブロック、リポバス、イグザレルト等)は併用禁忌薬として覚えやすいので比較的気がつきやすいかと思います。
※添付文書には一般名で記載のあるアゼルニジピンは、カルブロックだけでなく、成分としてレザルタス配合錠に入っているので注意が必要です。
最新の添付文書やガイドラインを確認する
抗HIV薬が併用薬にある場合は、必ず最新の添付文書やインタビューフォーム、ガイドラインの確認をします。
新薬が知らない間に禁忌薬に追加となっている可能性もあるので、レセコンのバージョンアップ、棚の添付文書はこまめに交換をしましょう。
また忙しい時間帯の新患さんだと、レセコンに併用薬などの患者情報を入力せず投薬する可能性が高いかと思われます。
レセコンのチェック機能を当てにせず、可能な限りその都度の最新情報の確認を心がけましょう。
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