患者様から「今日もらった(※1)ステロイド軟膏は日光にあたっても大丈夫ですか?」との質問。先生に言われたわけではなく、以前にどこかで聞いたことがあるとの事。
(※1)ステロイドとは構造中にステロイド骨格と呼ばれる構造を持っているものの総称。生理活性を持つホルモンとして主に副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンと、精巣や卵巣から分泌される性ホルモンがある。副腎皮質ホルモンは機能的に糖質コルチコイド(コルチゾール:ヒドロコルチゾンなど免疫を抑制や炎症を抑える働きがある)と鉱質コルチコイド(アルドステロンなど腎臓でのNaやKのバランス調節に働く)に分類されます。
私は聞いたことがなかったので他のスタッフに聞いてみると、古参のスタッフは確証はないが聞いたことがあるとの事。添付文書を見ても日光や紫外線についての注意事項はなし、メーカーに確認したところ問題はない様子。
どうやら以前はステロイドを塗った後に日光にあたることで色素沈着を起こすと言われた時代があったみたいです。ですので古いスタッフはその記憶が残っていたみたいです。
もしくはモーラステープなどで受けた光線過敏症の注意や、白色ワセリンでの油やけの説明とステロイドの注意がごちゃ混ぜになったのかもしれません。
はたまたステロイドでの(※2)皮膚萎縮や、ステロイド使用後に炎症が治まった後の色素沈着が紫外線と関係しているのでは?といった思い込みから来ているのかもしれません。
(※2)ステロイドでの副作用として皮膚萎縮・毛細血管拡張・色素脱失・多毛・ニキビ・皮膚の真菌感染などがある
もちろん紫外線に当たりすぎるのは決してお肌にとっては良い事ではありませんが、少なくともステロイド軟膏を塗っているから紫外線を絶対に浴びてはいけない!と過度に怖がる必要はないようです。