抗コリン薬による禁忌は前立腺肥大による排尿障害とそれ以外の場合

薬の勉強
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薬剤師ならばよく遭遇する「抗コリン薬」による禁忌ですが、以下のの3通りがあります。

  1. 前立腺肥大による排尿障害
  2. 前立腺肥大など下部尿路の閉塞性疾患のある患者
  3. 下部尿路閉塞・尿閉などを有する患者

2と3の違いがあまりない様に感じたのですが、2は閉塞性疾患があれば対象で、3は実際に閉塞、尿閉状態にある患者なのでしょうか?

まず排尿障害は頻尿、尿失禁、尿閉などがありますが、尿閉性疾患とは尿路障害(腎臓、尿管、膀胱、尿道などのどこかが詰まっている状態)を起こしている状態を指すようです。

閉塞症状が起きると、腎障害や腎結石、細菌感染症などの原因になる可能性がありますが、患者さんの訴えとしては、尿量の減少や増加、夜間頻尿、痛みなどです。

前立腺肥大症は、年とともに前立腺が大きくなる傾向があるため、中高年の男性において有病率が高くなる傾向にあります。前立腺が大きくなっていても症状がなければ特別に治療を行わない事もあります。

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①前立腺肥大による排尿障害(前立腺肥大にだけ禁忌)

抗コリン薬 禁忌 排尿障害を悪化
アトロピン,オキサピウム[エスペラン],ジサイクロミン[コランチル],スコポラミン[ハイスコ],チキジウム[チアトン],チメピジウム[セスデン],メペンゾラート[トランコロン],ピペリドレート[ダクチル],ブチルスコポラミン[ブスコパン],ブトロピウム[コリオパン],プリフィニウム[パドリン],プロパンテリン[プロ・バンサイン],ロートエキス 等

②前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者(下部尿路の閉塞性疾患に禁忌)

抗ヒスタミン薬等含有の総合感冒剤・鎮咳剤
プロメタジン含有製剤[PL顆粒],クロルフェニラミン含有製剤[ネオアムノール散,フスコデ,ライトゲン],ジフェンヒドラミン含有製剤[カフコデN]

パーキンソン病用剤
マザチコール[ペントナ],メチキセン[コリンホール],ピロヘプチン[トリモール],プロフェナミン[パーキン]

抗ヒスタミン薬・ステロイド配合剤
クロルフェニラミン配合剤[セレスタミン]

抗ヒスタミン薬
アリメマジン[アリメジン],クレマスチン[タベジール],クロルフェニラミン[ポララミン],ジフェニルピラリン[ハイスタミン],ジフェンヒドラミン[ベナ,レスタミン],シプロヘプタジン[ペリアクチン],トリプロリジン[ベネン],ホモクロルシクリジン[ホモクロミン],プロメタジン[ヒベルナ],メキタジン[ゼスラン,ニポラジン]

その他の抗ヒスタミン薬含有製剤
ジフェンヒドラミン含有剤[トラベルミン]

③下部尿路閉塞・尿閉などを有する患者

頻尿治療薬
オキシブチニン[ポラキス],プロピベリン[バップフォー],トルテロジン[デトルシトール],ソリフェナシン[ベシケア]

抗うつ薬
アミトリプチリン[トリプタノール],クロミプラミン[アナフラニール],イミプラミン[トフラニール],ノルトリプチリン[ノリトレン],ドスレピン[プロチアデン],マプロチリン[ルジオミール],ミルナシプラン[トレドミン]

気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎、腹圧性尿失禁
クレンブテロール[スピロペント]

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