キサラタン(ラタノプロスト)点眼液 色素沈着の機序は?

薬の勉強

患者さんに緑内障・高眼圧症治療剤のキサラタン点眼液(ラタノプロスト:プロスタグランジンF2α誘導体)が処方されたときに、「この目薬の色素沈着ってなんで起きるの?」と聞かれました。

おそらく患者さんはこの副作用の作用機序的なものを聞きたかったかと思うのですが、私は「メラニン色素が増えるみたいです」と答えにもなっていない事を伝えてしまったので、次回に再度伝えるために調べてみました。

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キサラタンの名称由来など

名称由来:Xa latan

「Xa」は治験コードPhXA41
「latan」は一般名であるlatanoprost

効能効果:緑内障、高眼圧症
用法用量:1回1滴、1日1回点眼

海外の臨床試験で、1日2 回点眼した場合に眼圧下降作用の減弱がみられたとの報告があったので、1日1回を超えて投与しない事を投薬時に伝える必要がある。

作用機序:ラタノプロストとは、プロスタグランジンF2α誘導体であり、プロスタノイド受容体のサブクラスのうち主にFP受容体に作用してぶどう膜強膜流出経路からの房水流出量を増加させて眼圧を低下させる。

眼圧(正常値10~21mmHg)とは、毛様体突起で産生される眼房水の量により調整がされる。この眼房水の排出には2つの経路(線維柱帯流出経路)と(ぶどう膜強膜流出経路)が存在する。

  • ラタノプロストの眼圧下降作用は、ぶどう膜強膜での流出量増加
  • ピロカルピンやエピネフリンは線維柱帯での流出量増加
  • β遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬は眼房水の産生抑制

色素沈着の作用機序

色素沈着に関して、インタビューフォームには以下のような記載がありました。

本剤の投与により、虹彩色素沈着(メラニンの増加)があらわれることがある。投与に際しては虹彩色素沈着及び色調変化について患者に十分説明しておくこと。この色素沈着は投与により徐々に増加し、投与中止により停止するが、投与中止後消失しないことが報告されている。

虹彩色素沈着は日常生活にそれほど影響はないかと思われますが、眼瞼色素沈着は目のまわりの黒ずみとして見た目への影響があるので、投薬時に必ず洗顔前か入浴前に点眼するように伝えましょう。

またGoogleScholarで検索したところ以下の記載がありました。

3)PG 製剤による色素沈着と多毛に対する発症機序のまとめ

ラタノプロストおよびウノプロストンでは両薬剤ともPGE2の分泌が促進し,このPGE2がメラノサイトに作用することでメラニンが増加する.

また,PGE2が毛根細胞に作用し,多毛が生じると推定されている.PG 作用を不活性化するためにはPG トランスポーターを通してPG が細胞内に取り込まれる必要がある.

ラタノプロストはPG トランスポーターのPG の細胞取り込みを抑制することで,PG が持続的にメラノサイトや毛根細胞を活性化し,色素沈着や多毛を引き起こすと推定される19.

このPG 製剤の副作用はすべてのPG 製剤に共通する副作用と考える.

緑内障治療薬としてのプロスタグランジンF2α誘導体製剤(プロストン系およびプロスト系)の特性について 小林 茂樹より引用

患者さんにはプロスタグランジンE2まで言い出すと少しわかりにくいかと思いますので、「メラノサイトと呼ばれるメラニンを作る工場に薬の成分が働きかける事で色素沈着がおこります」と伝える事にしたいと思います。

参考文献・画像出典:J-STAGEトップ/日本医科大学医学会雑誌/8 巻 (2012) 2 号/書誌・第一三共ヘルスケア

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