仕事始めはインフルエンザの患者さんが沢山、ゾフルーザ処方は半分程度でした

初詣 薬の勉強
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今週から仕事始めの薬局が多かったことと思います、勤務先の薬局ではこの3日間でインフルエンザA型の患者さんが結構多かったように思います。

門前によって異なりますが新しいものが大好きな先生は早速ゾフルーザの処方でした。イナビルもまだまだ処方でありましたが、薬局での投薬業務はやはりゾフルーザが圧倒的に楽で安心です。

イナビルは薬局内での吸入指導になると時間もかかりますし、吸入時にむせて失敗するとけっこう咳き込む患者さんもいるので薬局内の患者様にもリスクが多少なりともあります。

ゾフルーザはウイルス検出期間がタミフルやプラセボよりも2~3日程度短くなるそうです。ウイルス量を素早く減らして周囲への感染リスクも減少するらしいので、今年は早めにインフルエンザの猛威も鎮静化する事が期待されます。

いつものようにゾフルーザについて調べてみました。まず名称の由来についてです。

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ゾフルーザの名称由来

XO(ノックアウト,~がない)+ influenza (インフルエンザ)= Xofluza

XOがノックアウトを意味するのは知りませんでした。ちなみに中華調味料のXO醤(エックスオージャン)のXOはブランデーの最高級であるXOから来ているそうです。

一般名は、バロキサビル マルボキシル

効能効果は、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症

<効能・効果に関連する使用上の注意>
1. 抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ,本剤の投与の必要性を慎重に検討すること。
2. 本剤の予防投与における有効性及び安全性は確立していない。
3. 本剤は細菌感染症には効果がない。[「Ⅷ. 6. 重要な基本的注意とその理由及び処置方法」の項参照]

ゾフルーザはインフルエンザウイルス感染症の予防効果を評価するための臨床試験は実施しておらず今のところ予防投与はできないので、患者さんからの聞き取りで予防投与であった場合は疑義紹介の必要があります。

イナビルは予防に用いる場合は、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、代謝性疾患患者(糖尿病等)、腎機能障害患者に限り予防投与が認められています。

ゾフルーザの作用機序は?

タミフルやイナビルの作用機序は、ノイラミニダーゼを選択的阻害して新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を阻害することによりウイルスの増殖を抑制します。

ゾフルーザは新しい機序で、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的阻害します。

※キャップ依存性エンドヌクレアーゼとは、宿主細胞由来mRNA前駆体を特異的に切断する酵素で、ウイルスmRNA合成に必要なプライマーとなるRNA断片を生成するものでウイルスが増殖する為に必要な酵素です。

ゾフルーザはこのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害して、ウイルスmRNAの合成を阻害する事で転写反応を妨げてウイルス増殖抑制作用を発揮します。

今までは増殖したウイルスが感染細胞から遊離するのをブロックしていたのが、ウイルスの合成自体を抑制する事ができるようになったみたいです。

ゾフルーザの用法用量は?

用法用量は細かく区分されているので注意が必要です。体重によって投与量が異なります、成人の大柄な方(80kg以上だと80mgの単回投与)だと体重の確認も必要になってきます。

ちなみにゾフルーザ20mgの薬価は1錠2394.5円なので4錠だと9578円です。3割負担でも結構高くなるので驚かれる患者さんもいるかもしれません。

用法用量

1. 通常、成人及び12歳以上の小児には、20 mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40 mg)を単回経口投与する。※ただし,体重80 kg以上の患者には20 mg錠4錠(バロキサビル マルボキシルとして80 mg)を単回経口投与する。

2. 通常,12歳未満の小児には,以下の用量を単回経口投与する。
体重40 kg以上 20 mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40 mg)
体重20 kg~40 kg未満 20 mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして20 mg)
体重10 kg~20 kg未満 10 mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして10 mg)

ゾフルーザのデメリットは?

価格の面を除けば良いところばかりですがデメリットは何でしょう?発売してまだ間もないので安全性などの面で多少の不安が残るかもしれません。実際に約1割の患者さんではインフルエンザウイルスに遺伝子変異が生じて、ウイルス検出期間が延長して有症状期間も長引くというデータが出ているそうです。インフルエンザウイルスの耐性化も問題になってきているので心配です。

インフルエンザ症状発現後の定義とは?

最後にインフルエンザの薬は「症状発現後に可能な限り速やかに開始することが望ましい」とされています。
※症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない

ゾフルーザのインタビューフォームには臨床試験における症状発現の定義

成人及び12歳以上の小児では以下のいずれかに該当した場合

・体温が初めて上昇したとき(平熱から少なくとも1℃以上上昇)
・インフルエンザ症状(頭痛,筋肉又は関節の痛み,熱っぽさ又は悪寒,疲労感,咳,喉の痛み,鼻水/鼻づまり)を1項目以上経験したとき

12歳未満の小児では37.5℃を超える発熱を確認した場合

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