【漢方薬】⑤安中散は胃下垂、胃アトニー(胃無力症)の胃もたれに効果

漢方薬
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安中散は7種の生薬で体を温める

⑤安中散という漢方薬をご存知でしょうか?

構成されている生薬は以下の7種類です、神経質な人に向いていてストレスによる胃部不快感や胃下垂によっておきる症状改善などに用いられます。

  1. ケイヒ(ケシ科:シンナムアルデヒド)発汗、解熱、鎮痛、健胃、血流改善、矯味
  2. エンゴサク(ケシ科:プロトピン)鎮痙、鎮痛
  3. ボレイ(牡蠣:炭酸カルシウム)鎮静、利尿、制酸作用
  4. ウイキョウ(セリ科:アネトール)健胃、去痰作用
  5. シュクシャ(ショウガ科シュクシャの種子)健胃、整腸作用
  6. カンゾウ(マメ科:グリチルリチン酸)去痰、鎮咳、消化性潰瘍薬
  7. リョウキョウ(ショウガ科:シネオール)胃を温め、血流促進

甘草(カンゾウ)も含まれているので、お湯に溶かしても香りが良く比較的のみやすい味だと私は思っています。

※カンゾウが含まれる漢方薬は、偽アルドステロン症、ミオパシー、低カリウム血症に注意してください (参照:JKMA

漢方薬の甘草(カンゾウ)成分1日限度量5gの理解で大丈夫?
以前、こむら返りの処方という事で長期間にわたり、1日1回寝る前で「芍薬甘草湯」が出ていた患者さんがいました。 「こむら返りがなかなか良くならない」との訴えがあったので、血液検査の結果を見せていただいたところ、低カリウム血症(3.5mmol/...

機能性ディスペプシア(検査で異常は特に見つからないが胃痛や胃もたれの症状がある状態)にも使用される事が多い漢方薬です。

ちなみに機能性ディスぺプシア治療薬には、西洋薬ではアコチアミド塩酸塩水和物(商品名:アコファイド錠100mg)が有名です。

私はアコファイドを服用した事がないので効果の方はわかりません…。

安中散の効能効果は?

効能効果
痩せ型で腹部腹筋が弛緩する傾向にあり、胃痛または腹痛があり、ときに胸焼け、げっぷ、食欲不振、はきけなどを伴う次の症状:神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニー(胃下垂が慢性化し症状としてでている状態)

自分自身も痩せ型で腹筋がないので、食事の後にお腹がぽっこりと出てしまいます。

胃下垂や胃アトニーの人は食後にもたれた感じが長く続く事が多いそうです。

そして性格的には神経質な人に向いている薬でもあります。

私は大雑把な性格のようですが、根は神経質なようでストレスによる胃の膨張感や不快感などにも用いられる安中散は合っているみたいです。

以前勤めていた職場のときは夜の食事時間が遅かったのですが、食後に胃酸が出て数時間すると寝る前にお腹が空きすぎた感覚に襲われてしまいます。

その結果、寝る前に何か食べないと眠れない悪循環が続いていました。

寝る直前に食べるので朝方に胃もたれがひどく、朝食はコップ一杯の水とムコスタ(レバミピド)だけで大抵は食べずに出勤していました。

食事をする事で不快感が楽になる上部消化管(食道・胃・十二指腸)症状の場合は、胃酸過多による可能性が考えられます。

よって「胃酸が出すぎなのか?もしくは年をとったため消化機能が衰えてきたからかな?」なんて思っていたので、H2ブロッカーやPPIや、胃粘膜防御因子薬など色々と試していたのですがあまり効果がありませんでした。

ピロリ菌疑い、胃カメラでも異常なし

上部消化管症状には様々な原因が考えられます。

ストレスや生活習慣(コーヒーの飲みすぎ、夜遅い食事等)による慢性胃炎の可能性もあります。

これらは市販薬で対応可能な場合もありますが、ストレスや生活習慣を改善してさらに腹痛や嘔吐、吐き気もなく便の色が正常であれば別の原因を疑わなくてはなりません。

まず消化性潰瘍の原因として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用や、ピロリ菌感染があります。

非ステロイド性抗炎症薬は全く使用していないので、ヘリコバクターピロリ菌への感染を疑った私は胃カメラをやってもらう事にしました。

早速ピロリ菌の検査予約をして病院で診てもらったのですが、食道や胃粘膜は綺麗なピンク色で保たれており、胃カメラでのピロリ菌の検査結果も【陰性】でした。

それでも症状は改善せず、私が自己判断によって下した結論は胃アトニーでした。

胃下垂や胃アトニーは腹筋を鍛えるのが良いみたいですが、三日坊主で終わってしまいます。

そこでワンダーコアの類似品(イージーエクサツイン:本家よりも安い)を購入したのですが、普段からあまり運動をしないのに嬉しがって毎日過剰にやっていたらぎっくり腰になってしまいました…。

なんでもやりすぎるとろくな事がありません、少しづつ鍛えるようにしましょう。

職場が変わって比較的早めに帰宅できるようになってからは食事もそれほど遅くなくなったので以前のような症状は少なくなりました。

しかし腹筋はまだ鍛えられていないままなので、稀に似たような症状が出ます。

そんな時には【⑤安中散】が自分にはあっているみたいです。

安中散の構成生薬は体を温めるものが多いので、やせ型お腹を触って冷えている方には効果が見込めます、是非試してみてください。

そして腹巻もしてください。

しかし、胃下垂や胃アトニーを根本的に治すには胃下垂になる姿勢を正したり、睡眠時間やストレスなどによる自律神経の乱れなどの原因を解決する必要があるようです。

とりあえず猫背気味なので姿勢を正して、早くゆっくり寝て、ストレスの少ない職場で働く事にしようと思います。

ちなみにOTCでも、ストレージ(タイプI=胃痛)の中身は安中散なので、こちらでも大丈夫です。

他のストレージの中身は…

  • ストレージ(タイプH=吐き気)半夏厚朴湯
  • ストレージ(タイプG=下痢)半夏瀉心湯

OTCの商品名はカタカナ名称ですが、中身が漢方薬であることがよくあるので調べてみると面白いですね。

おわり

参考:機能性消化管疾患診療ガイドライン、消化性潰瘍診療ガイドライン、ツムラ安中散添付文書