調剤薬局業務でよく起きるミスをリストアップしてみました

役に立つ話
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施設や在宅の膨大な量の鑑査業務が増加してくると、一包化された錠剤の刻印を一つ一つ見ているので肩こりがひどくなってきました。

右肩のコリがひどく痛くて右側を向く事ができません…、今日はモーラスパップを貼って寝ることにします。

ちなみに鑑査と監査の違いについて調べてみました。

調剤薬局ではどちらの作業も内容的に使用するみたいなので、今回は鑑査で統一しておきます。

鑑査[名](スル)そのものの優劣・適否・真偽などを鑑定し審査すること。「応募作品を鑑査する」

監査[名](スル) 監督し検査すること。 特に、会計監査・業務監査のこと。→法定監査 →任意監査

goo辞書より引用

鑑査業務は調剤業務で、通称「最後の砦」とも呼ばれています(私が呼んでいるだけです)。

「最後の砦」は英語で「ラストスタンド」と言います。

ターミネーターで有名なアーノルド・シュワルツェネッガーが主演で映画にもなっています。なかなか面白いので宜しければ是非ご覧下さい。

ちなみに yahoo映画では、星は評価3.67点です。

あらすじは凶悪犯罪人であるコルテスが時速400kmの車でメキシコ国境を突破しようとするのを、シュワちゃん扮する小さな田舎町の保安官が、最後の砦となった町の住民達と一丸となって凶悪犯を阻止しようとするお話です。

いったいどうなってしまうのでしょうか?

そんな重大な任務である最後の砦(ラストスタンド)の任務中に、うっかりブリカニールの刻印を見て「アディダスのマークに似ているなぁ…」などと、全く関係のない事を考えていると調剤ミスを見逃しかねません。

出典:アストラゼネカ

現在勤めている薬局では分包する者と、鑑査する者が別々にやっています。

よって分包する作業の時には「鑑査でチェックされる」という安心感があります。

しかし鑑査側の立場の時には、本当に「最後の砦」であるため気を抜くことができません。

鑑査業務に就いてすぐの頃に実際、色や形状はほぼ同じで異なる錠剤が入っていたのに気がつかず、そのまま施設に届けられた事例がありました。

この時は分包者の残した薬剤シートの情報だけを信じてしまい、錠剤の刻印を一つずつチェックしていませんでした。

長い処方日数で粒の数だけを見ていたところ、何故か一つだけ違う似た錠剤が混入していたのです。

幸いにも服用前に発見されて事なきを得ましたが、それ以来とても鑑査業務が恐ろしくなってしまいました。

そして刻印を何度も繰り返し見るようになりました。(両面に印字のある錠剤は視認性が高いので監査するときとても助かります)

一包化錠剤鑑査支援装置を導入している薬局では良いのですが、このように人力で行う鑑査業務は本当に目が疲れて視力が相当悪くなった様な気がします。

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調剤薬局で起き易いミスは?

鑑査に限らず調剤薬局での業務中に起こりやすいミスはどんなものがあるのか、リストアップしてみたいと思います。

複雑な計算などよりは単純なものが多いような気がします。

やはり患者さんに急かされて慌てていたり、気を抜いている時に一番ミスが起きやすいのだと思います。

薬局業務全般で気をつけるべきポイントとして普段から意識すれば少なからずミスが減るかと思います。

調剤系

  • 薬袋の一回あたりの定数、包数の間違い
  • 水剤のボトルの分2や分3のライン間違え、計量カップ1回あたりのライン間違い
  • 一般名処方のセフェム系抗生物質やステロイド薬、配合剤等の先発名を間違える
  • 分譲で貰った薬を受け取り時に、数だけ確認して安心してしまい薬品名、規格を確認しない
  • リンデロン系の外用剤の間違え(「VGVG‥」と言いながら軟膏とクリームを間違えたり、「軟膏軟膏‥」と言いながらVとVGを間違えたり)

機械系

  • 錠剤と散剤を分けたり、一緒にしたり操作を間違う
  • 分包機の中で錠剤がひっかかったり無くなったり行方不明になる
  • 分包を何人も連続して行い、排出口が一杯になって詰まり錠剤が粉々になる
  • 自動分包機のカセットに、登録した薬と別の錠剤を混ぜてしまう

その他(事務系等)

  • お薬手帳のシールを違う人の手帳に貼ってしまう
  • 保険証を患者様から借りてコピーして返却し忘れる
  • 処方箋を薬情などと一緒に患者様に渡してしまう
  • 冷所保存の薬剤を受け取り後、室温で放置していた
  • エンシュアや外用薬などの大物を別の所に置いていて配達時に持って行くのを忘れる
  • 同じ苗字の患者さんを苗字だけで呼び、違う患者さんがそのまま他人の薬を持って帰る

ちょっと思いつくだけでもこれだけの調剤ミスや失敗が思い出されました。信じられないようですが、これらは全て今までの調剤薬局での業務中に見聞きしたものばかりです。(思い出すたびに書き加えたいと思います)

残念ながら人間が行う作業に完璧はありませんので、必ずミスは起きてしまいます。

二重三重にチェックをして、少しでもミスを無くして安心安全にお薬を患者さんにお渡しできるように日々努力したいと思います。

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