【PCSK9阻害薬】レパーサ皮下注140㎎ペンの指導箋は栞(しおり)に丁度いい

薬の勉強
スポンサーリンク

レパーサ皮下注140㎎ペンを使用している患者さんが薬局の待合でいつも本を読まれているのですが、ふと手に持った本を見るとレパーサ皮下注に付属しているの指導箋を本の栞(しおり)にされていました。

そして患者さんに「これ(しおり)、毎回いらんから捨てといて」と言われて毎回処分していたのですが、私も患者さんの真似をして図書館で借りた本に挟んで使うようになりました‥

この患者さんのレパーサ皮下注は、一度に複数本数が処方されます。

よってたま~にしか指導する事がないレパーサ皮下注ですが、私の場合は本を読んでいる時に(栞)しおりとして目にしていると指導すべき内容を忘れなくていいかもしれません。

例)指導しているポイント

  • 冷蔵庫から出して30分待つ理由➡冷たい温度のまま注射すると注射部位に不快感を生じる為
  • 自己注射していい場所は?➡腹部と大腿部のみ(※上腕部は医師等又訓練を受けた家族)
  • キャップを戻してはいけない理由➡中の針が曲がったり、誤って針が刺さる恐れがある為

etc‥

スポンサーリンク

レパーサ皮下注とは?

レパーサ皮下注(一般名:エボロクマブ)は、家族性高コレステロール血症、高コレステロール血の治療に使用される自己注射可能なPCSK9阻害薬です。

名称由来は、海外に準じているそうです。

レパーサ皮下注140㎎のペン型と、420㎎のオートミニドーザー型の2種類があります。

皮下注ペンによる自己投与の方法は、アステラスのホームページにて動画で見ていただく事も可能です。

レパーサ皮下注140㎎【自己投与のための使い方動画】

効能又は効果

家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症

ただし、以下のいずれも満たす場合に限ります。

  • 心血管イベントの発現リスクが高い
  • HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない

作用機序

作用機序のターゲットであるPCSK9(Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9)と呼ばれるタンパク質は、LDL受容体(血中のLDL-Choを肝臓に取り込む)を分解する働きを持っています。

PCSK9阻害薬であるレパーサ皮下注は、PCSK9を阻害する事でLDL受容体の分解を防ぎ、LDL-Choの値を下げる働きがあります。

出典:レパーサ皮下注140㎎インタビューフォーム

基本的には第一選択薬のHMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)の単独投与、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)のほか、陰イオン交換樹脂(レジン)、プロブコール等の併用療法を試したうえで、なお効果不十分な場合にレパーサ皮下注の併用を検討する。

用法用量

【家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体、高コレステロール血症】

  • レパーサ皮下注140㎎ペン
    成人に140㎎(1本)を2週間に1回420㎎(3本)を4週間に1回皮下投与
  • レパーサ皮下注420㎎オートミニドーザー
    成人に420㎎を4週間に1回皮下投与

【家族性高コレステロール血症ホモ接合体】

  • 成人に420㎎を4週間に1回皮下投与(効果不十分な場合には420㎎を2週間に1回皮下投与できる)※LDLアフェレシスの補助として本剤を使用する場合は、開始用量として420 mgを2週間に1回皮下投与が可能である。

※LDLアフェレシスとは?

LDLアフェレシスは、体外循環装置を用いて血液中の LDLを分離、除去するものであり、FHホモ接合体の血中のLDLを除去することを目的として開発された。

抗PCSK9抗体はLDLアフェレシス時に除去されるため、併用する場合には、LDLアフェレシス後に皮下注射する必要がある。

参考:成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン 2022、レパーサ皮下注140㎎ペンインタビューフォーム

コメント

error: Content is protected !!