内臓脂肪が多いとインスリンの抵抗性が高まるの?

薬の勉強
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患者さんより「脂肪が多いとインスリンの効きが悪くなると先生に言われました、本当ですか?」との事でした。処方内容はアクトス15mg(ピオグリタゾン)のみです。

「先生の言われるように、過食や運動不足で肥満になるとインスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)症状が起こりやすくなると言われています」とお伝えしました。

検査値の確認と、今回処方されたアクトスについて心不全、膀胱癌の既往歴の確認と副作用として浮腫が起きる可能性についての説明をしました。いつもHbA1cや血糖値を聞いて薬の注意点を伝えるだけなのでDM患者さんにはもう少し色々とアドバイスが出きればと考えてみました。

まず毎回の血糖のコントロールだけではなく、血圧や脂質、体重、禁煙指導も服薬指導に取り入れる様にしようと思います。毎回聞き取る内容を変えることで新しい情報として患者さんにも認識されて意識が高まるのでは?と考えます。そして薬歴に記載する内容にも困らなくて助かるはずです。

コントロール指標

・標準体重の維持(BMI 22前後)
・血圧130/80mmHg未満
・LDLコレステロール120mg/dL未満
(冠動脈疾患があるときは100mg/dL未満)
・中性脂肪(早期空腹時)150mg/dL未満
・HDLコレステロール40mg/dL以上

新しい糖尿病関連のニュースなども会話に織り交ぜる事にします。

大阪大学は、肥満であっても、酸化ストレスを除去すれば、肝臓の脂肪蓄積が減り、インスリン抵抗性が改善できる事を明らかにした。脂肪組織の酸化ストレスを減らす方法を開発すれば、肥満や2型糖尿病の新たな治療法となる可能性がある。

大阪大学は、肥満状態の脂肪組織では、増加した酸化ストレスによって脂肪肝などの異所性脂肪が蓄積が生じ、2型糖尿病の発症につながることを解明した。 酸化ストレスを抑制できれば、肥満であっても健康的でいられ、糖尿病などを予防・改善できる可能性がある。

 糖尿病リソースガイドより引用

この内容によると、脂肪組織の酸化ストレスを減らす事で健康的な肥満になることが出来るみたいです。

酸化ストレスは、激しい運動、喫煙、紫外線、大気汚染などが原因と考えられています。活性酸素に気をつける必要がありそうです。食べる物にも気をつける必要があります。抗酸化食品(ビタミンCやE)ポリフェノールなどを多く含む食品を摂取する必要があります。

インスリン抵抗性改善系の薬が第一選択薬として使用される事は多いと思うのですが、門前のDrはメトグルコなどのビグアナイド系がほとんどだったのですが、珍しく今回はアクトスでした。使い分けについてはまた調べてみたいと思います。

糖尿病治療ガイド2018-2019(抜粋)[9]

糖尿病治療ガイド2018-2019より引用

 

ポイント
(1)血糖降下薬は、低血糖や体重増加などの副作用を生じにくい薬剤から選択しましょう
(2)中等度以上の腎機能低下、重度の肝機能障害、乳酸アシドーシスの既往がある患者など、禁忌に当てはまらない患者では、メトホルミン(メトグルコ)を第一選択薬としましょう
(3)経過観察の際は、血糖値・HbA1c値に加えて、血圧、脂質、体重といった全身状態のチェックも重要です
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