監査しているとウルソデオキシコール「サワイ」とアロプリノール「サワイ」の半錠がどちらか分からなくなる場合がありました。
識別コードが見える数字の部分はもちろん分かるのですが、「SW」の記載部分はどちらも白い半割錠ですのでほぼ同じ様に見えます。
識別コード
- ウルソデオキシコール錠100mg「サワイ」 SW170
- アロプリノール錠100mg「サワイ」 SW248
添付文書を見てみると、直径8.0mm、厚み2.8mmで全く同じです。
しかしウルソデオキシコール錠の方には性状の欄に「味は苦い」と記載がありました。
試しに廃棄分のウルソデオキシコールのかけらを舐めてみると確かに苦い!
そしてアロプリノールは苦くありませんでした。
これで万が一、ウルソデオキシコール「サワイ」とアロプリノール「サワイ」の半錠が混じってしまいどっちがどっちなのか分からなくなるという事件が起きても見分ける事が出来そうです。
ウルソデオキシコールは苦い
ウルソデオキシコール酸(UDCA)の薬効起源は動物性の生薬である「熊胆」(ユータン)の成分であるタウロウルソデオキシコール酸です。
熊胆はツキノワグマまたヒグマ等の胆嚢を胆汁が入ったまま乾燥したものです、味は極めて苦いと言われています。
ウルソデオキシコール酸は現在コール酸を原料として化学的に合成してつくっていますが、本物の生薬である熊胆は高価ですが品質の差もかなりあるようです。(※偽って牛や豚の胆嚢が使われている場合もあるそうですが本物とは苦味が全く違うとの事)
効能効果
- 胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患における利胆
- 慢性肝疾患における肝機能の改善
- 小腸切除後遺症、炎症性小腸疾患における消化不良
- 外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解
- 原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善
- C型慢性肝疾患における肝機能の改善
脂っこい食べ物で胃がもたれた時に
三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂肪)のうちでも脂肪は、胃でほとんど消化されないまま十二指腸に到達します。
脂肪が十二指腸に到達すると消化管ホルモンのコレシストキニン(CCK)が放出されて、胃の働きを抑制します。
肝臓から胆汁酸が出ていれば脂肪はミセルに取り込まれて、CCKも抑制されて再び胃が活発に動き出します。
しかし肝臓は加齢により30~40代をピークに機能が低下します。
最近どうも揚げ物を食べたら胃がもたれるなぁ…と感じている人はウルソデオキシコール酸を試してみてもいいかもしれませんね。
ウルソデオキシコール酸は、田辺三菱製薬の胃腸薬としてOTCでも販売されています。脂っこい食べ物を食べた時にもたれた時に効果があるそうです。
詳しくはマンガdeウルソをご覧ください。
参考:田辺三菱製薬サイト、沢井製薬ウルソデオキシコール添付文書
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