「薬学管理料を外して」という薬剤師の患者さんが来た時の対応は?

保険調剤事務

一時期、「医師や薬剤師は薬学管理料を外して」という流行があり、中には「身内に医師や薬剤師がいるから外して」という患者さんまで来られた事がありました。

そして最近はめっきり見なくなっていたのですが先日久しぶりに、

「自分は薬剤師だから薬学管理料を外して欲しい」

という患者さんが来局されました。

こういった場合に、「薬学管理料」を算定するかしないかは、薬局によって判断が分かれるところかと思われます。

そもそも近所の薬局では、「薬学管理料」自体を全く算定していない薬局も存在します。

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薬学管理料とは?

薬学管理料には色々と種類がありますが、この場合は調剤薬局で服薬指導時に算定される「薬剤服薬管理指導料」になります。

薬剤服薬管理指導料」は、薬局の大切な収入源となる調剤報酬のうちの一つです。

受付1回につき下記の点数を算定できます

  1. 調剤基本料1の薬局で6ヶ月以内の再来局(手帳あり)41点
    (※手帳持参の算定回数が50%以下の薬局は13点
  2. 上記以外の場合 53点
  3. 特別養護老人ホームの入居者を訪問して実施 41点

新患さんは確認事項が多いので53点は仕方ないとして、手帳を持ってこないと毎回12点もアップするので手帳は必ず持参しましょう。

患者さんは、薬局に手帳を持っていくと41点(調剤基本料1の薬局)と覚えておきましょう。

しかし薬局では患者さんの手帳持参率が50%以下になると、薬剤服薬管理指導料13点になってしまうというペナルティがあるので、患者さんに声掛けして手帳を持ってきて貰う必要があります。

もしブラック薬局があるとすれば、手帳持参率を51%程度にコントロールして、手帳なし患者53点を数多く算定したいと考えているかもしれません。

ただし今後は、お薬手帳の持参率も改定毎に厳しくなってくる可能性もあります。

よって通常の調剤薬局では、お薬手帳で併用薬を確認するためにも日頃から患者さんに声かけをして、お薬手帳の持参率向上を頑張っています。

さらに薬剤服薬管理指導料には、様々な加算があります

  • 特定薬剤管理指導料(ハイリスク薬加算)10点
  • 乳幼児服薬指導加算 12点
  • 麻薬管理指導加算 22点
  • 重複投与・相互作用等防止加算(残薬調整は30点・それ以外40点

1つ目の「特定薬剤管理指導料」におけるハイリスク医薬品とは以下になります。

  • 抗悪性腫瘍剤
  • 免疫抑制剤
  • 不整脈用剤
  • 抗てんかん剤
  • 血液凝固阻止剤(内服薬に限る)
  • ジギタリス製剤
  • テオフィリン製剤
  • カリウム製剤(注射薬に限る)
  • 精神神経用剤
  • 糖尿病用剤
  • 膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬

そして疑義紹介などで薬が減ったのに、お会計が高くなり患者さんに怒られる可能性のあるパターンが4つ目の「重複投与・相互作用等防止加算」になります。

残薬整理や併用薬の確認で、疑義紹介をした場合に薬が減ると加算されます。

薬価の安い薬だったりすると薬が減ったのに、お会計は逆に高くなったりするのでトラブルの原因になるので注意が必要です。

薬学管理料を算定するための条件は?

① 薬剤服用歴の記録

  • 調剤報酬請求(薬学管理料)の根拠となる記録である。
  • 処方箋受付の都度、収集した情報を踏まえて薬歴を参照して服薬指導を行う。
  • 指導後速やかに完了させ、必要に応じ参照できるよう患者ごとに保存管理する。
  • 疾病に関する一般的な生活指導は薬学的管理とは言えない
  • 最終の記入の日から起算して3年間保存すること。

② 薬剤服用歴管理指導料における情報提供の文書「薬剤情報提供文書」

  • 情報提供の内容は個々の患者の病状に応じた内容を提供する。
  • 処方内容が前回と同様の場合等においては、必ずしも指導の都度交付する必要はない
    (※交付しない場合は、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。)

③ お薬手帳

  • 患者に手帳を保有する意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供する。
  • 患者の意向を確認した上で手帳を用いない場合や、複数の手帳を1冊にまとめなかった場合はその理由を薬剤服用歴の記録に記載する。
  • 電子版の手帳は、紙媒体と同等機能を有する場合、算定上、紙媒体と同様の取扱いとする。

④ 一般名処方における後発医薬品選択の明確化

  • 一般名処方が行われた医薬品については、原則後発医薬品を調剤する。
  •  後発医薬品のについて適切に説明した上で、後発医薬品を調剤しなかった場合、その理由を調剤報酬明細書(レセプト)の摘要欄に記載

保険調剤の理解の為により抜粋

患者から算定を外すように言われた場合は?

厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の「保険調剤の理解のために(平成30年度)」薬学管理料の留意事項をみてみます。

  • 患者等のプライバシーに十分配慮した上で実施する。
  • 薬学管理料における各種指導や情報提供は、その時点における個々の患者の状態等を考慮して、当該患者にとって何が必要かをその都度判断することが必要である。
  • 指導内容の要点等を必ず薬剤服用歴の記録に記載する。
  • 保険薬剤師自身が個々の患者の算定可否を判断し、機械的に一律に算定を行わない

「機械的に一律に算定を行わない」という文言からも「毎回、算定要件も満たさないままに、べた取りは出来ませんよ」と解釈できます。

そして薬学管理料を算定する事が必須でない以上、患者が算定要件を満たす情報を与えなかった場合は算定ができない事になります。

医師や薬剤師である以前に、拒否した場合は強引に算定する事はできないと読み取れます。

一方で、日本薬剤師会の監修した保険薬局Q&Aには、「服薬管理や情報提供が不要と申し出があったとしても、患者が安全に医薬品を使用するために必要と判断した場合には業務を実施したうえで保険請求(算定)して下さい」との記載があります。

また医師や薬剤師であったとしても「専門外の疾患の場合は一般の患者と同様に必要性があれば算定が可能である」との記載もあります。

よって患者の状態を考慮して薬剤師が必要だと判断した場合は、必要性を丁寧に説明して可能な限り患者さんに納得、理解をいただいた上で算定をするようにしましょう。

そのためには、やはり薬剤師として相応しい態度、薬についての知識を持って患者さんからの信頼を得る必要があります。

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